熱海富士関が小結昇進、96年ぶり静岡県出身新三役に地元沸く
熱海市出身の熱海富士関(23歳、伊勢ヶ浜部屋)が2月24日、小結への昇進を果たした。同市からの三役誕生は初めてであり、静岡県全体でも戦前の天竜関以来、戦後初となる96年ぶりの快挙となった。地元や後援会、熱海富士関を知る関係者らは歓喜に沸き、祝福の声が広がっている。3月8日に初日を迎える大阪場所を前に、熱海富士関は「大事な場所になると思うので、全力で頑張りたい」と抱負を語った。
新番付に笑顔、地元への感謝を表明
「番付を見ると実感が湧く」。この日、大阪市内の宿舎近くで記者会見した熱海富士関は、新しい番付を手に笑顔を見せた。小結の欄に刻まれたしこ名を確認した後、「『静岡』『熱海』という字が大きくなってうれしい。応援してくださった方々に感謝したい」と述べ、地元への思いを強くにじませた。
2020年に初土俵を踏み、自ら目標に掲げてきた三役の座を手にした。西前頭4枚目で迎えた先場所(1月)では、千秋楽の本割で欧勝海関を寄り切り、12勝3敗で並んだ大関・安青錦関との優勝決定戦で惜しくも敗れた。それでも、2日連続で横綱を破るなど、その成長ぶりを印象づけ、昇進への道筋を確かなものにした。
今後について、熱海富士関は「ほかの人と比べて器用ではないので、時間がかかってしまったが、これからもっと頑張っていきたい」と意気込みを語り、さらなる高みを目指す姿勢を示した。
地元で懸垂幕掲げられ、関係者が祝福
熱海市では、この日、市役所隣の消防庁舎の壁に「祝 熱海富士関 三役昇進」と大書された高さ9メートル、幅1.35メートルの懸垂幕が掲げられた。森田金清・後援会長は「今後も持ち味の突き押しをなお一層磨き、相撲道に精進して、さらなる高みを目指してもらいたい」と激励の言葉を寄せた。
熱海富士関の母校・飛龍高校(沼津市)相撲部の栗原大介監督(49歳)は「本当にすごい。まさに歴史を作っている」と手放しで教え子を褒めた。同部2年の吉野俊太朗さん(17歳)は「幕内でもすごいのに、その一段上の三役ですからね」と先輩の偉業に大喜びし、「熱海富士関の背中を追いかけていきたい。目標は大相撲」と意気込んでいた。
高校時代の下宿先、恩師の夢を実現
熱海富士関が高校時代に下宿していた「光玉母食堂 めし しんちゃん」(三島市)の店主、杉山美香さん(58歳)も、「小学生の頃から見守っていた熱海富士が三役に昇進してくれてうれしい」と喜んだ。美香さんの夫で三島相撲クラブの会長だった信二さんは、小学5年から中学卒業まで熱海富士関を指導し、高校入学後も1年の夏頃まで下宿させていた。
信二さんは「熱海富士が三役になるのが夢」と語り、まな弟子を応援していたが、昨年11月、持病が悪化し、62歳で亡くなった。美香さんは「信二さんの夢をかなえてくれてありがとうと伝えたい。本場所優勝を目指して励んでほしい」とエールを送り、恩師の思いを継ぐ形での昇進に感慨深げだった。
