柏レイソル選手が挑む「デュアルキャリア」 飲食店経営で街とクラブをつなぐ新たな挑戦
柏レイソル選手が飲食店経営で街とクラブをつなぐ挑戦

柏レイソル選手が現役中に飲食店経営 街とクラブをつなぐ「デュアルキャリア」の挑戦

千葉県柏市の柏駅周辺で、サッカーJ1・柏レイソルの選手たちが手がける飲食店2店が、地元の新たな名所として注目を集めている。競技を続けながら別の仕事を並行する「デュアルキャリア」の実践で、他の選手も出店を計画中だ。スタジアムの外でも街に魅力をもたらす選手たちの取り組みを詳しく追った。

戸嶋祥郎選手のピザ店「STADIO PIZZA VAMOS !!!」が地元で人気に

窯焼きピザの香りが漂う店内には、サッカーのユニホームが飾られている。「STADIO PIZZA VAMOS !!!(スタジオ・ピザ・バモス)」は、戸嶋祥郎選手(30)が知人男性と昨年7月にオープンさせた店だ。時に店先に立つこともある戸嶋選手の姿を見られることが、ファンにとっての魅力となっている。

客の8割以上は柏レイソルのサポーターで、ホーム戦の日は特ににぎわいを見せる。30代の男性客は「試合後に祝勝会や反省会に来られるのがうれしい」と選手との交流を楽しみ、30代の女性客は「サッカー選手に試合外で会えるチャンスがある」とその魅力を語る。

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現役中に店を持った理由 将来を見据えたキャリア形成

大学時代にレストランでアルバイトをしていた戸嶋選手は、現役中に店を持った理由について「選手生活に終わりがあるのは明白です。引退後の備えと視野を広げたくて」と明かす。

Jリーグは夢ある世界だが、長く活躍したり海外のビッグクラブに移籍したりする選手は一握りだ。20代半ばで戦力外とされ、引退するJリーガーは少なくない。戸嶋選手は「サッカー一本軸だと、僕みたいな立場は厳しい。自分でキャリアを守っていかないと」と語り、サッカーと飲食店経営の「二足のわらじ」は、シビアに将来を見据えての挑戦でもあることを強調した。

犬飼智也選手のコーヒー店「TONÈS COFFEE ROASTERS」が街とクラブをつなぐ

犬飼智也選手(32)も、こだわりのハンドドリップコーヒーを味わえるカフェ「TONÈS COFFEE ROASTERS(トーンズ・コーヒー・ロースターズ)」の共同オーナーを務めている。2024年11月にオープンしたこの店は、当初都内で物件を探したが条件に合う場所がなく、柏での開店に至った。

クラブの選手やサポーターが訪れるだけでなく、試合日には対戦相手の選手やサポーターも立ち寄るという。犬飼選手は「結果的に大正解でした。スタジアム以外にレイソルと街をつなぐ場所をつくれた」と語り、店内ではクラブとコラボしたオリジナルグッズも販売している。

現役中に「両軸」を持つメリット 試行錯誤の余裕と発信力

犬飼選手は、収入のある現役中に他の事業と「両軸」を持つメリットについて「事業で試行錯誤でき、仮に失敗しても余裕がある」と強調する。「助けてくれる人もいるし、発信もしやすい。カフェをきっかけに僕を応援してくれる人も増えた」と実感を語った。

「選手である以上、サッカーが主な軸です。でも他のこともやってもいい。それを見せたいし、やりたい人を応援したい」と、デュアルキャリアの可能性について熱く語る。

細谷真大選手もサウナ開業準備 街全体を盛り上げる取り組み

柏レイソルのエースで日本代表にも度々招集される細谷真大選手(24)も2選手に触発され、市内にサウナを開業する準備を進めている。「レイソルの街に貢献するというのが、すごくすてき。自分も街全体を盛り上げる意味で始めてみた」と語る。

自身がサウナのリカバリーやリフレッシュ効果を感じ、それを広めたい気持ちもあるという。6月オープンを目指してクラウドファンディングを実施し、300万円弱を集めた。

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選手たちの取り組みが街の新たなにぎわいの起爆剤に

柏駅前ではそごう柏店が2016年に、柏マルイが2025年にそれぞれ閉店するなど、商業施設の撤退が続いていた。いずれも柏出身でない3選手の取り組みは、新たなにぎわいの起爆剤として期待されている。

柏市中心市街地整備課の担当者は「街に新しい魅力をつくってくれて、すごくありがたい」と選手たちの取り組みに感謝の意を表した。選手たちのデュアルキャリア挑戦は、自身のキャリア形成だけでなく、街の活性化にもつながる好循環を生み出している。