「町田の太陽」エリキ、復帰で快足を武器にゴール量産中
FC町田ゼルビアのFWエリキが、今季のJリーグで目覚ましい活躍を見せている。紆余曲折を経てクラブに戻った彼は、Jリーグトップクラスの快足を生かし、リーグ戦5試合で4ゴールをマーク。サポーターから「最大の補強」と称賛される存在となった。
首位攻防戦を前に自信たっぷりのコメント
鹿島アントラーズとの首位攻防戦を目前に控えた3月16日、エリキは「もちろん期待してください」と自信に満ちた言葉を口にした。試合は「THE国立DAY」としてMUFGスタジアム(国立競技場)で開催される。大舞台を好む31歳は「国立では普段とは違うものを感じられる」と意気込みを語り、暴れ回る覚悟を示している。
今季4ゴールは、昨季J1得点王の鹿島レオセアラらと並んでリーグトップタイ。陽気でリズミカルなチャント(応援歌)と共に、スタジアムを沸かせ続けている。
サポーター熱狂の復帰劇
今年1月7日、ヴィッセル神戸に期限付き移籍していたエリキの復帰が発表されると、オフの大型補強がなかったことにやきもきしていたサポーターは「最大の補強だ」と沸き立った。練習場では「おかえり、エリキ」との歓迎の声が上がり、クラブへの深い愛着が感じられた。
新戦術がエリキの強みに合致
長身FWのオ・セフンやミッチェルデュークが移籍で抜けたチームは、空中戦を重視する攻撃を見直した。相手ディフェンスの背後を狙う新たな攻撃スタイルは、一瞬の加速で抜け出すのが得意なエリキの強みにぴったり合致。水を得た魚のようにピッチを駆け回り、古巣・横浜F・マリノスとの開幕戦では2得点を挙げた。
特に2点目はエリキらしさ満点のゴールだった。相手のバックパスを猛然と追いかけ、GKの手前でシュートを押し込む鮮やかなプレーで、そのスピードと決断力を遺憾なく発揮した。
「風を強く感じる」独自の感覚
エリキは試合後、自身のパフォーマンスを数値で振り返ることがある。「きょうはおそらくスプリントで時速33キロか34キロくらい出ていたと思う」と語り、実際の計測データを確認せずとも、スプリント時の一歩、二歩から調子の良しあしを感じ取っているという。
「スプリントできているときは、風をちょっと強く感じます」と、くしゃっと表情を緩めながら直感を大切にするFWらしい表現で感覚を説明。この独自の感覚が、彼のプレーの原動力となっている。
町田加入からMVP、そして復活への道
エリキが町田に加入したのは2023年。抜群の得点感覚を生かし、その年のJ2MVPに輝き、J2優勝とJ1初昇格の立役者となった。明るいキャラクターから「町田の太陽」と愛され、根強い人気を誇った。
しかし2024年以降は左膝の大けがの影響で本来のスピードが戻らず、出場機会が減少。2025年は攻撃の布陣変更や高額な人件費がネックとなり、追われるような形で神戸に期限付き移籍した。
神戸での完全復活アピール
神戸では有り余ったパワーを解放するようにリーグ戦9ゴールを記録。チームを窮地から救う価値ある得点が多く、スピードを含めたパフォーマンスも、けがからの完全復活を印象付けた。
今季も高年俸は変わらず、町田への復帰が当初から全面的に歓迎されたわけではなかったが、今や最も欠かせない選手の一人に成長。「監督が決めたことに従い、全力を尽くすだけ」と献身的な姿勢をピッチでも示している。
J1昇格の功労者が再び中心で輝く
神戸に移籍している間、町田は天皇杯で優勝し初の国内主要タイトルを手にした。帰ってきたエリキは、日進月歩で成長するクラブの姿をピッチ内外で感じ、その刺激を力に変えている。
「ピッチ内の変化は(競争の激化によって)すごくポジティブなものを感じる。ピッチ外でも、外国人選手に対するサポートで良い変化を感じている。そのおかげで、気持ちよく働かせてもらっているよ」と、クラブ環境の向上に感謝の意を表した。
J1で上位争いができるようになった現在があるのは、J1昇格に大きく貢献したエリキの存在があってこそ。その功労者が再び町田の中心で輝いている意義は計り知れない。紆余曲折を乗り越え、風を切り裂くようなスピードでゴールを量産するエリキの活躍は、今後もチームの原動力となるだろう。



