控え組の意地が主力に伝播、名古屋が西の首位に浮上
J1名古屋グランパスが、敵地での長崎戦で先発メンバーを前節から全員入れ替える大胆な策を敢行。この起用がチームに新たな活力をもたらし、その後3連勝を達成して西の首位に浮上した。
長崎戦前の異変
ペトロビッチ監督は長崎戦前日、いつも以上に口数が少なかった。長距離移動を伴う5連戦の3試合目で主力の疲労も考慮し、選手起用の方針を尋ねると、「誰がプレーするか私は知らないし、決まってない」と突き放すような口調で答えた。情報を多く明かさないタイプとはいえ、普段とは異なるその態度は、大胆な策をとる覚悟の表れだった。
全員入れ替えの衝撃
長崎戦のメンバー発表で、先発が前節から11人全員入れ替わっていることが判明。チームが2018年にJ1復帰して以降、リーグ戦では一度もなかったことだ。少なくとも2、3人は前戦と同じ顔触れになると思っていただけに、不安がよぎった。
しかし試合が始まると、控え組主体の選手たちが奮闘。激しい風雨の中、終盤の猛攻にも全員が体を張って守り抜き、泥臭い逆転勝利を収めた。MF小野は「やっぱり(負けた)ね、と言われたくなかった」と語り、意地を見せた。
主力組への刺激
この控え組の奮闘は主力組にも伝わった。6日のG大阪戦、10日の京都戦では運動量で圧倒し、3連勝。FW山岸は「いつも出ている組は(もっと)やらなきゃという気持ちになった。俺らが負けたら『いや、おまえら代われよ』となる」と話し、意地が覚悟を呼んだことを明かした。
戦略の成果
5連戦を4勝1敗(PK戦負け)で終え、勝ち点で7差あった神戸に追いつき、得失点差で上回って西の首位に立った。ペトロビッチ監督は「(勝ったから)今ではポジティブに振り返られる。負けてたら、なぜ入れ替えたのかと質問されたと思う」と苦笑い。選手心理を突いた起用が奏功した。
百年構想リーグの地域リーグラウンドも残り2試合。「ベストを尽くし、最終的に首位にいたい」と監督。勢いに乗った今なら、良い結末が待っていると信じたい。



