神野大地、高校時代の挫折から「山の神」へ 強豪校で直面したレベルの壁と原点回帰
神野大地の高校挫折から「山の神」へ 強豪校での原点回帰

神野大地、高校時代の挫折から「山の神」への道のり

箱根駅伝で山登りの5区を快走し、「山の神」と称えられる神野大地(32)。その栄光の背景には、高校時代に味わった深い挫折と、そこから立ち上がる原点回帰の物語があった。強豪校への進学は、想像以上のレベルの違いを突きつけ、彼の心に「ここにいてもいいのか」という疑問を植え付けた。

強豪校で直面した圧倒的なレベルの差

神野は陸上の名門、中京大中京高校に進学した。入学早々、部活動の自己紹介で衝撃を受ける。同級生には後に世界陸上マラソン代表となる清田真央がおり、3000メートルの自己ベストが9分47秒。神野はそれより40秒も遅く、レベルの違いに「出ばなをくじかれた」と振り返る。

教室でも同様だった。1学年約40人のスポーツクラスには、野球、サッカー、水泳などで名を知られたアスリートが揃い、神野は「右を見ても左を見てもアスリート」という環境に圧倒された。周囲との差があまりに大きく、「ここにいてもいいのかな」と自問自答する日々が続き、当初はクラスになじめない感覚があったという。

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原点に立ち返った「とことん練習」の決意

ネガティブな思考に陥りながらも、神野の心を支えたのは「とにかく速くなりたい」という陸上選手としての原点だった。実力不足を自覚していたからこそ、強豪校への進学を決めた初心に戻り、練習に没頭することを選んだ。

クラスメートとの関係も、時間とともに変化していった。彼らの競技への熱意や精神面から多くを学び、刺激を受けて自身の目標も高まっていった。特に陸上部の小田和利監督は、選手の自主性を尊重する指導方針で、与えられたメニューをこなすだけでなく、自ら考えて取り組む習慣を身につけさせてくれたという。

「速くなるために、自ら道を切り開く。陸上選手としての原点はそこにあると思っています」と神野は語る。

食事と恩師との出会いが成長を後押し

競技で結果を出すため、神野は練習以外にも食事に力を入れた。朝・昼・晩の3食をしっかり取ることを心がけ、寮生活では朝食を自ら用意。ご飯やみそ汁を当番制で仕込み、ハム、チーズ、納豆、卵などを組み合わせ、時には卵かけご飯に納豆を混ぜるなど工夫を凝らした。

「体づくりのためにも3食きちんと取ることをオススメします」と中高生にアドバイスする神野。2011年には読売犬山ハーフマラソンの10キロ高校男子の部で優勝し、「会心のレース」を経験した。

青山学院大学・原晋監督との運命的な出会い

高校2年生の時、神野は陸上人生を変える恩師と出会う。長野県での合宿中、クロスカントリーコースを走る姿が青山学院大学の原晋監督の目に留まり、宿舎まで会いに来てくれたのだ。

原監督は「名前は?」「いま何秒で走るんだ?」と開口一番に質問し、当時は推薦枠の目安タイムに届いていなかった神野に「君の走りなら夏を越えたら設定タイムを切れる。一緒に箱根を目指さないか」と声をかけた。

秋にかけてタイムが伸び、他大学からも勧誘を受ける中、神野は最初に声をかけてくれた原監督への信頼と、「憧れの箱根駅伝を走れるかもしれない」という夢から、青山学院大学への進学を決断した。

挫折から始まった高校時代は、練習と食事、恩師との出会いを通じて、箱根駅伝の「山の神」へと成長する礎となったのである。

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