安藤友香、名古屋で生まれ変わる「2時間20分切りを当たり前に」 2028年ロサンゼルス五輪へ
安藤友香「2時間20分切りを当たり前に」名古屋で生まれ変わる (04.03.2026)

安藤友香、新たな挑戦へ「2時間20分切りを当たり前に」

誰にでも気さくに話しかける一方で、大きな目標は胸の内に秘めて走る。長い競技人生で確立してきたスタンスを、2026年の安藤友香は覆した。名古屋ウィメンズマラソン2026(3月8日・バンテリンドームナゴヤ発着)を前に、2時間20分切りを当たり前の目標とし、生まれ変わった自分を見るための42.195キロに臨む。

宣言から始まった覚悟

年明け早々、太田崇監督に名古屋ウィメンズで2時間20分を切ると告げ、驚かせた。自己ベストの2時間21分18秒からは1分以上の開きがあるタイムだった。あえて口に出したのは、「20分をすごい壁と捉えてしまっているから届かない。もう20分を切るのを当たり前にしていかなきゃいけない」という思いからだ。

2024年の名古屋ウィメンズを制したが、同年のパリ五輪は代表選外。2025年の世界選手権は28位だった。確かな実力がありながら、突き抜けた成績には手が届いていない。32歳になる今年が勝負どころだと腹をくくった。

矢田みく選手の記録更新がもたらした気づき

その宣言から間もない1月下旬。大阪国際女子マラソンで矢田みくに選手(エディオン)が2時間19分57秒をマークし、9年ぶりに初マラソンの日本記録を更新した。破られた記録を持っていたのが安藤選手だ。鹿児島・奄美の合宿先のテレビで観戦を終えると、感動と悔しさの混じった涙があふれた。

矢田選手とは昨年12月の合宿で一緒に40キロを走ったばかり。だから余計に衝撃は大きかった。特に耳に残ったのが、レース後に矢田選手が繰り返した「楽しむ」という言葉。最近のレース前は、いつも不安でいっぱいだった。支えてくれる人たちに結果で報いたい気持ちばかりが膨らみ、「周りの評価を気にして自分で自分の首を絞めていた」と振り返る。

矢田選手の軽やかな走りを見て「もう一回リセット」と楽しむ気持ちを思い出した。不安を受け流す糸口が見つかった気がしたという。

挑戦者としての新たなスタンス

チームには安藤選手の初マラソンを高校時代に見てマラソンランナーを志した選手もいる。あこがれの存在として助言を惜しまない一方、今は「私も挑戦者。一緒に頑張ろうという感じ」と若々しく言い切る。「一番の目標は2028年ロサンゼルスオリンピック」と大きな夢を語ることにも抵抗がなくなってきた。

現所属のしまむらに移ってからは初めての名古屋出走となる。このレースは、今秋の愛知・名古屋アジア大会の代表選考会を兼ね、来年秋に名古屋で開かれる2028年ロサンゼルス五輪選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」の出場権もかかる重要な一戦だ。

競技人生の転換点

安藤友香選手は愛知・豊川高などを経てスズキ浜松AC入り。2017年名古屋ウィメンズで当時の初マラソン日本記録を樹立。2019年にワコールに移り、2021年東京五輪1万メートルで22位。2024年名古屋は自己ベストの2時間21分18秒で優勝した。2024年にしまむらに移籍。31歳。岐阜県海津市出身。

それぞれの目標への第一関門を前に、安藤選手は生まれ変わった自分を見るための42.195キロに挑む。2時間20分切りを当たり前の目標とし、2028年ロサンゼルス五輪への道を切り開こうとしている。