12年ぶりの表彰台に輝く、鈴木猛史の執念の銅メダル
ミラノ・コルティナ冬季パラリンピックは最終日の3月15日、アルペンスキー男子回転座位が行われ、鈴木猛史選手(37歳、カヤバ所属)が見事に3位に入り、銅メダルを獲得しました。この表彰台は、2014年ソチ大会以来、実に3大会12年ぶりの快挙であり、鈴木選手にとって通算4個目のパラリンピックメダルとなります。
「思い切り行こう」の決意が実を結ぶ
ゴール後にタイムを確認した鈴木選手は、両腕を振り下ろして大きな喜びを表現しました。得意とする回転種目でつかんだ銅メダルについて、「取れずに終わるかと思っていたので、本当にホッとしています」と語り、安堵の表情を見せました。
表彰式では、12年ぶりとなるパラリンピックのメダルを右手にしっかりと握りしめ、じっと見つめる姿が印象的でした。長い時間を経て再び手にした栄光に、感慨深げな様子でした。
勝負の2回目を制したメンタルの変化
1回目の滑走を終えて3位と好位置で折り返した鈴木選手ですが、これまでは勝負の2回目で順位を落とすことが少なくありませんでした。成績を意識しすぎるあまり緊張で体が硬くなるという悪癖が課題だったのです。
この日も、一つ下の4位に先輩の森井大輝選手がつけるなど、緊張する要素は十分にそろっていました。しかし、鈴木選手は「思い切り行こう」と強気の姿勢を貫き、見事に2回目の滑走を成功させました。
30代から「変なプライド」を捨てた成長
鈴木選手の大きな変化は、30代に入ってから「変なプライド」を捨て、素直に学び成長する姿勢を身につけたことにあると言われています。年齢と経験を重ねる中で、自分自身と向き合い、メンタル面での強化に取り組んできました。
特に2年前からは国立スポーツ科学センターなどのサポートも受け、技術面だけでなく精神面のトレーニングも積み重ねてきました。その成果が、今回の重要なレースで発揮されたのです。
時速100キロを超える高速滑走では、けがのリスクも常に伴います。それでも挑戦を続ける鈴木選手の姿は、多くのファンや関係者に感動を与えています。37歳という年齢で、さらなる高みを目指すその姿勢は、今後のパラスポーツ界においても大きな励みとなるでしょう。



