「話にならない事件」から頂点へ りくりゅうが競技生活に幕
ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケートで、日本ペアとして史上初となる金メダルを輝かせた「りくりゅう」こと三浦璃来(24)、木原龍一(33)組が4月17日、今季限りでの引退を自身のインスタグラムを通じて発表しました。二人の歩みは、木原が「話にならない事件」と表現した出会いから始まった特別な物語です。
7年前の決定的な出会い
時はさかのぼること7年前、フィギュアスケートからの引退を考えていた木原龍一のもとに、三浦璃来からペア結成の誘いが届きました。一緒に練習を始めた二人の間には、すぐに「化学反応」と呼べるような特別な連携が生まれ始めました。
しかし木原には大きな悩みがありました。彼はこれまでに14年ソチ五輪、18年平昌五輪と、異なるパートナーとペアを組んで出場していたのです。真面目な性格の木原は、日本スケート連盟で長年ペア強化を担当してきた小林芳子さん(70)に電話で相談を持ちかけました。
「僕、やれる気がします。でも、女の子を3人も代えていいんでしょうか」
この心配事に対し、小林さんは笑いながら「結婚とは違うんだから」と返答。この言葉が、りくりゅう結成への最後の後押しとなりました。
カナダでの新たな挑戦
ペアを結成した二人はまもなく、三浦が以前から師事していたブルーノ・マルコットコーチ(51)の下でカナダでの生活をスタートさせます。異国の地での共同生活と厳しい練習は、二人の絆をさらに深めることになりました。
2022年北京五輪では7位という結果に終わりましたが、この経験が後に金メダルへの原動力となります。4月の取材に応じた二人は、当時を振り返りながらも、前を向く姿勢を崩しませんでした。
頂点への道のり
ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアペアフリーで演技を終えた瞬間、三浦璃来と木原龍一は感極まる表情を見せました。日本ペア初の金メダルという歴史的快挙を成し遂げた二人の姿は、多くのファンに感動を与えました。
木原が「龍一、靴を履いてくれ」という三浦の一言を「雷が落ちた日」と表現するように、二人の関係は単なる競技パートナーを超えた特別なものへと進化していきました。誠実に戦い抜いた結果、かつて「話にならない事件」と笑われた出会いが、最高の笑い話へと変わった瞬間でした。
今季限りでの引退を決断したりくりゅうですが、二人が築き上げた功績と物語は、日本のフィギュアスケート史に永遠に刻まれることでしょう。



