愛知県日進市、eスポーツで子どもの新たな居場所を創出へ
学校生活に馴染めない子どもたちのための新たな居場所づくりとして、愛知県日進市がコンピューターゲームの競技であるeスポーツの活用に乗り出した。市は2027年度からの本格実施を目標に掲げ、市スポーツセンター内に常設のeスポーツ拠点を設置する計画を進めている。
eスポーツがもたらす社会的効果に着目
日進市の取り組みは、主に小学校高学年から高校生までの子どもたちを対象としている。eスポーツには孤独感を緩和する効果や、他者との絆を形成する役割があるとの研究結果があり、市はこうした特性を積極的に活用する方針だ。自治体が子ども向けに常設のeスポーツ拠点を設けるのは、愛知県内では初めての試みとなる。
利用対象は不登校の子どもに限定せず、パソコン操作やプログラミング、コンピューターゲームに秀でた子どもたちが自己の能力を発揮できる場を提供することも目的としている。市は既に2024年1月から、同センターでeスポーツ体験会や大会を開催しており、名古屋市の企業が運営面で協力している。
具体的な実施計画と将来展望
今後は拠点の改修工事や機器の購入などを順次進め、早ければ2026年度中の補正予算案に事業費を計上する予定だ。近藤裕貴市長は次のように期待を語っている。
「将来的には、子どもたちが高齢者にゲームの操作方法を教えるなど、他者の役に立つ経験を通じて自尊心を育む機会につなげたい」
市は2024年春には、学校になじめない小中学生を受け入れる市教育支援センターで、人気ゲーム「マインクラフト」の教育版を導入。この取り組みが子どもたちの仲間づくりや会話のきっかけとなっている実績もあり、eスポーツ事業への展開に自信を深めている。
デジタル人材育成にも貢献
日進市の計画は、単なる居場所提供にとどまらない。eスポーツを通じたデジタル人材の育成や、将来的なキャリア形成への寄与も視野に入れている。市スポーツセンターに設置される常設拠点では、以下のような活動が展開される見込みだ。
- 定期的なeスポーツ体験会と競技大会の開催
- プログラミングやゲーム開発に関するワークショップ
- 異年齢間交流を促進するコミュニティイベント
- 地域企業との連携によるキャリア教育プログラム
この取り組みは、現代社会における子どもの多様なニーズに応えるとともに、地域のデジタル化推進にも貢献することが期待されている。日進市は今後も関係機関と連携しながら、子どもたちが安心して過ごせる環境づくりを着実に進めていく方針だ。



