伊賀市と名張市、ごみ処理広域化の事業方式で見解分かれる 公設民営と公民連携で調整難航
伊賀市と名張市、ごみ処理広域化の事業方式で見解分かれる

三重県伊賀市と名張市などが進めるごみ処理の広域化計画において、建設予定施設の事業方式を巡り両市の足並みが乱れている。伊賀市の稲森稔尚市長は2月、公設民営方式が望ましいと表明した。一方、名張市は4月、民間資金を活用する公民連携方式の可能性を探る調査を単独で開始した。この事業方式の決定が長引けば、今後の検討スケジュールに影響を及ぼす可能性もある。

背景と両市の立場

広域化に向け、両市などが2月に策定した基本構想では、事業方式の違いによる実質負担額が提示された。施設を建設し20年間運営した場合、公設民営方式の実質負担額は約380億円であるのに対し、公民連携方式は約200億円とほぼ半分となる。しかし、民間が施設を所有する場合、事業者の撤退リスクなども存在する。

稲森市長は2月の市議会で、公的責任を果たせる現実的な方法として公設民営が望ましいとの考えを表明。4月20日に開かれた協議会でも、この方式が望ましいと主張した。

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一方、名張市の北川裕之市長は協議会で、公民連携に関する調査の必要性に触れつつも、「フラットな立場で検討を進めている」と述べるにとどめた。

名張市の単独調査

しかし、名張市は協議会翌日の4月21日、民間事業者に意見を聞く調査を開始した。調査の目的として、「仮に候補地が名張市内となった場合を踏まえ、導入実績がない公民連携による事業実施について、現実的に可能性があるのかどうかの検証を事前に行っておく必要がある」と説明。結果の公表は6月下旬から7月中旬頃としている。

伊賀市によると、他の3市町村には事前に調査に関する連絡はなく、同市幹部は「驚いた」と話す。6月2日に開かれる協議会で事業方式の最終確認を行う予定だったためだ。既に事業方式の合意時期は当初の計画よりも遅れている。

今後の見通し

稲森市長は「6月2日に名張市がどういう考えを述べるかしっかり注視したい」としつつ、「少なくとも公民連携という手法は伊賀市内では考えられない」と断言。「期限があるので、早く結論が出るように議論していきたい」と述べた。

北川市長への取材申し込みに対し、市を通じて「(6月2日の協議会よりも前に)取材を受けることは難しく、お話しすることは控えたい」との回答があった。

全国的な傾向

基本構想によると、過去10年にごみ焼却施設で導入された事業方式は、公設民営が160件中106件と最多。公民連携の導入は0件だったが、検討や計画を実施している事例は3件あった。

ごみ処理広域化の概要

ごみ処理広域化は、伊賀市と名張市のごみ処理を担うさくらリサイクルセンター(伊賀市治田)と伊賀南部クリーンセンター(同市奥鹿野)の役割を継承する施設を建設する構想で、2020年2月に検討が始まった。京都府笠置町と南山城村も23年3月に協議参加を表明。24年4月、4市町村がごみ処理広域化に向けた協議会や基本構想検討委を設置した。両センターの操業期限は地元との協定で34年3月までとなっており、34年度の稼働を目標としている。

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