中道改革連合の小川淳也代表と国民民主党の玉木雄一郎代表の地盤である香川県で、双方の支持母体である連合香川の内部対立が表面化している。中道改革・立憲民主党を支援する傘下労組グループと、国民民主側に事実上分裂した。連合香川は今年のメーデー(5月1日)の中央集会を中止したにもかかわらず、立民側の一部労組などが集会を開催。県内での野党結集はより困難な状況に陥っている。
メーデー集会の分裂
4月25日、高松市サンポートで開かれた「高松・大川地区メーデー集会」には、高松、さぬき、東かがわ3市と三木町の組合員ら約400人(主催者発表)が出席。ステージに姿を見せた小川氏は「(新党代表として)日々苦悶しているが、最終的に世の中が良くなるようにもう一踏ん張り、皆様と共に頑張りたい」と述べた。
主催は連合香川ではなく、自治労県本部の呼びかけに一部労組が賛同してできた実行委員会だった。小川氏や池田知事、大西秀人・高松市長のほか、立民系の県議や高松市議らが登壇。一方、玉木氏や国民民主の地方議員は不在だった。
同地区のメーデーは例年、大型連休に合わせて、連合香川と他団体が共同で開いてきた。しかし、連合香川内で2年前から共催の見直しを求める声が上がり、一部労組が参加を見送る事態に発展。連合香川は3月、今年の開催そのものの見送りを決めた。実行委の集会は、その後に開催が決まった。
スタンスの違い
背景にあるのが、小川氏の出身・立民を支持する官公労主体の旧総評系と、国民民主支持の民間労組中心の旧同盟系の対立だ。総評と同盟などは統合して1989年に連合を誕生させたが、その後も旧総評系と旧同盟系には、原子力発電所の賛否や憲法改正の是非などのスタンスに違いがある。
連合香川では、傘下労組が一体となって行動するため、政治思想に関する言動を慎んできた。しかし、連合香川推薦の地方議員が、立民や社民党の主張に近い「反原発」の活動に参加していることが判明。旧総評系の組合員がこれまでのメーデーで「護憲」を主張する場面もあった。これらに旧同盟系の労組が抗議したものの改善されず、不満がたまっていた。
今年、旧総評系が主導して集会を開催したことに、旧同盟系の労組幹部は「連合香川の分断を招かないよう、『見送り』としている中で、筋道が通らない」と批判。一方、実行委の主体となった自治労の幹部は「理屈に合わない面もあるかもしれないが、労働者が集う場が必要との声があった。実際に400人ほどが集まり、代えがたい場になった」と意義を語った。
連合香川の福家良一会長は「メーデーは非常に重要な場であるのに、こちらの都合で(主催から)抜ける形になり、他の団体に申し訳ない」と釈明。所属の一部労組が集会を開いたことには「歴史的な経緯がある」と内部対立を示唆した。
今後の影響
連合香川を構成する産別労組は、4月末現在で約30で、組合員は約5万1000人に上る。このうち、旧同盟系のUAゼンセン(約1万5000人)と電力総連(約5000人)などが国民民主の支持基盤とされる。一方、旧総評系の自治労(約1万人)のほか、県内の石油・化学産業のJEC連合(約2300人)、JP労組(約1700人)などはおおむね立民を支援する。
旧同盟系と旧総評系の対立表面化は、県内の今後の選挙に影響を及ぼすのだろうか。複数の労組幹部は「ほとんどない」と即答する。国民民主と立民は経済政策や憲法改正を巡って意見が異なり、すでに県内選挙での協力関係は失われているからだという。
ある労組幹部は「約20年前まで、香川の連合は全国的にも関係性が良く、胸を張れる部分だったが、メンバーが変わる中で今は違う」と明かす。別の労組幹部は「連合香川でくくれば大きく見えるが、すでに割れているのが実情だ」と指摘。その上で、現在の全国的な自民党の勢いを踏まえ、「対立の表面化は双方にとってメリットがなく、腹を割って話し合うべきだ」と訴える。
「玉木党」と呼ばれる個人支持層を持ち、組織票に左右されない玉木氏は連合香川の状況について、読売新聞の取材に「詳しく把握しておらず意見する立場にもない」としつつ、「仲良くすることは大事だ」と述べるにとどめた。



