関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の耐震性をめぐり、原子力規制委員会の新規制基準に適合するとした審査判断は誤りだとして、福井県などの住民が国に原発設置許可の取り消しを求めた訴訟の控訴審で、大阪高裁(川畑正文裁判長)は28日、一審の大阪地裁判決を取り消し、住民側の逆転敗訴を言い渡した。
一審は許可違法と判断
一審の大阪地裁は2020年12月、関西電力が基準地震動の算出においてばらつきの考慮や数値の上乗せをせず、規制委も上乗せの必要性を検討しないまま許可を出したことは「看過しがたい過誤、欠落」があるとして違法と判断。国に許可取り消しを命じていた。
これに対し国側は、十分に保守的な基準地震動が設定されており、科学的知見から数値の上乗せに合理性はなく、規制委の審査は適切だと主張。控訴審では、基準地震動の値や規制委の判断の妥当性が主な争点となった。
基準地震動を856ガルに設定
関電は大飯3、4号機の耐震設計の目安となる揺れ(基準地震動)を最大加速度856ガルと設定。規制委はこれを適正と評価し、2017年5月に設置許可を出した。住民側はこの値が過小であり、審査に問題があると訴えていた。
関電は2013年の新規制基準施行後、3、4号機の審査を規制委に申請し、許可を得ていた。今回の高裁判決により、設置許可の有効性が改めて認められる形となった。
判決後、大阪高裁前では住民側が「不当判決」などと書かれた垂れ幕を掲げ、抗議の意思を示した。住民側は上告する方針とみられる。



