成年後見制度が柔軟に、遺言デジタル化も導入…民法改正案を閣議決定
成年後見制度柔軟化、遺言デジタル化導入へ民法改正案決定

成年後見制度の柔軟化と遺言デジタル化を柱とする民法改正案が閣議決定

政府は3日午前、認知症や知的障害がある人々の財産管理などを支援する成年後見制度について、途中での利用停止を認めることを主要な内容とする民法改正案を閣議決定しました。同時に、遺言をパソコンなどのデジタル機器で作成した場合でも有効とする規定も盛り込まれ、近く特別国会に提出される予定です。

現行制度の問題点と改正の方向性

現行の成年後見制度では、本人の判断能力に応じて「後見人」「保佐人」「補助人」の3種類が設けられています。後見人は最も権限が大きく、財産管理や契約に関する包括的な代理権に加え、食料品購入などの日常活動を除く行為の取り消し権を持っています。

しかし、原則として当事者の判断能力が回復しない限り利用をやめられないため、「自己決定権が必要以上に制約される」との指摘が長年根強く存在していました。この問題に対処するため、今回の改正案では制度の柔軟化が図られています。

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一元化と柔軟な利用停止の仕組み

改正案では、後見人と保佐人を廃止して補助人に一元化し、遺産分割などの行為ごとに必要な範囲と期間で制度を利用できるようにします。さらに、当事者の判断能力が回復しなくても、家庭裁判所が不要になったと判断すれば、利用をやめることができるようになります。

一方で、例外として判断能力を常に欠く場合に重要な財産行為の取り消しを可能とする「特定補助」の仕組みも新設されます。これにより、必要最小限の支援に限定しながらも、重要な保護機能は維持されることになります。

遺言のデジタル化対応とセキュリティ対策

遺言のデジタル化に関しては、パソコンなどで作成し、データや印刷した文書を法務局で保管する「保管証書遺言」が導入されます。なりすましや強要を防ぐため、本人が対面かウェブ会議で全文を担当職員に読み上げる必要があります。

この措置により、デジタル技術を活用しながらも、遺言の真正性と本人の意思確認を確実に行う仕組みが整備されます。高齢化社会の進展に伴い、財産管理や相続に関するニーズが多様化する中で、制度の現代化が進められることになります。

今後の展開と社会的意義

今回の改正案は、自己決定権の尊重と必要な保護のバランスを追求するものです。成年後見制度の利用者が、状況の変化に応じて柔軟に制度を利用できるようになることで、より個別に適した支援が可能となります。

また、遺言のデジタル化は、技術の進歩に対応した法整備の一環として位置付けられます。政府は近く特別国会にこの改正案を提出し、審議を経て早期の成立を目指す方針です。この改正が実現すれば、2026年以降、より柔軟で現代的な成年後見制度が運用されることになります。

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