消防署員の免職処分が取り消しに 岡山・高梁市に賠償命令
岡山県高梁市消防署に勤務していた元消防副士長の男性が、酒気帯び運転などを理由に懲戒免職処分を受けた訴訟で、岡山地裁は2026年2月25日、処分を取り消す判決を言い渡した。同時に、市に対して150万円の支払いを命じた。判決では、処分が違法であると明確に判断された。
事件の経緯と市の主張
判決によると、男性は令和4年8月、道路交通法違反(酒気帯び運転)の疑いで逮捕された。その後、嫌疑不十分を理由に不起訴処分となったが、高梁市は同年11月、飲酒運転などを根拠として男性を免職処分とした。市側は、男性の行為が酒気帯び運転に該当し、処分も適法であると主張していた。
裁判所の判断と理由
森実有紀裁判長は判決理由で、男性がナイトクラブなどで飲酒後にトラブルに巻き込まれ、警察の呼気検査を受けた際には、酒気帯び運転の基準値を下回っていたと指摘。その後、仮眠を取って車を運転し警察署に向かった際の検査で基準値を超える値が検出され、逮捕に至った経緯を説明した。
裁判長は、2回目の検査までに飲酒の事実が認められず、男性が酒気帯び状態である可能性を認識して運転したとは認められないと強調。これにより、懲戒事由が存在しないと判断し、処分を違法とした。
今後の影響と社会的意義
この判決は、公務員の懲戒処分において、客観的な証拠と認識の有無が重要であることを改めて示した。高梁市は判決を受け、今後の対応を検討することになる。消防組織における規律維持と個人の権利保護のバランスが問われる事例として、注目を集めている。



