パリで開催されていた日米欧の先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議は19日、サイバー攻撃への対応能力を強化することを柱とする共同声明を採択し、閉幕した。会議では、先端人工知能(AI)のリスクを把握し、対策を講じるための取り組みを進めることで一致した。特に「クロード・ミュトス」などの先端AIシステムが悪用される懸念に対処するため、各国が連携してリスク評価と対策を強化する方針が示された。
重要鉱物の供給網強化
共同声明では、重要鉱物について投資拡大や再利用、健全な調達基準の採用などを通じ、供給網強化を目指すと明記された。これは、先端技術やグリーンエネルギーに不可欠な鉱物資源の安定確保を図るもので、地政学的リスクの高まりを背景に、各国の協調が求められている。
サイバー攻撃対策の具体化へ
出席した片山さつき財務相によると、これまでの議論で先端AIを悪用したサイバー攻撃への具体的な対応策を、6月の首脳会議(サミット)までに取りまとめることを確認していた。これには、AIシステムの脆弱性を悪用した攻撃への防御策や、国際的な情報共有の枠組み構築が含まれる見通しだ。
日本からは日銀の植田和男総裁も出席した。会議では、中東情勢悪化で収束の見通せない原油高が世界経済に与える影響についても18日に意見が交わされ、ホルムズ海峡の一日も早い自由で安全な航行を確保する重要性を確認した。6月の首脳会議はフランス東部エビアンで開かれる予定だ。
なお、「クロード・ミュトス」は米新興企業アンソロピックが開発したAIシステムで、システムの脆弱性を発見する能力が著しく高いとされている。このような先端AIの登場により、サイバー攻撃の手法が高度化する一方、防御側もAIを活用した対策を強化する必要性が高まっている。



