再審制度見直しで政府が修正案を提示へ 全9項目の内容が明らかに
刑事裁判をやり直す再審制度の見直しを進める政府が、刑事訴訟法改正案に関する修正案の全容をまとめた。2026年4月15日に開催される自民党の会合で提示される予定で、その内容には9項目の修正が盛り込まれていることが複数の政府・与党関係者への取材で判明した。
検察の抗告は維持 審理期間を「1年以内」に制限
修正案では、再審開始決定に対する検察の不服申し立て(抗告)を禁止しない方針を維持。その一方で、裁判所が抗告の是非を審理する期間を「1年以内」に制限する規定を設けた。これは法案の付則に明記される見通しだ。
政府は、地裁から最高裁まで審理する三審制のもとで確定した有罪判決を重んじる立場から、地裁だけの判断で裁判のやり直しを決めるべきではないと主張している。しかし自民党内では、検察の抗告によって非公開の再審請求審が長期化し、冤罪被害者の救済が遅れているとして、抗告を禁止し公開の再審公判で争うよう求める声が強まっている。
実効性に不透明感 「十分な理由」の判断基準示されず
修正案では検察の抗告を維持する一方、「(再審開始)決定を取り消すべき十分な理由」があると認める場合でなければ抗告してはならないとした。抗告に一定の制限をかける形だが、「十分な理由」の具体的な判断基準は示されておらず、実効性については不透明な状況が続いている。
さらに、検察の抗告を受けた審理の長期化を防ぐため、裁判所の審理期間を1年以内とする努力義務を課す。裁判迅速化法の目標である「できるだけ短い期間内」で裁判手続きを終えるよう適正に手続きを進めることや、迅速化のために弁護人と検察官が裁判所に協力することも盛り込まれた。
証拠開示とスクリーニング規定にも努力目標
検察の抗告禁止の是非と並んで焦点となっている証拠の開示のあり方については、開示の範囲が不当に狭くならないよう留意すると記した。また、再審請求を速やかにスクリーニング(選別)する規定をめぐっても、選別を経て証拠開示などの実質審理に進むべき請求が「棄却されることがないようにしなければならない」とした。
いずれも努力目標をうたっている形で、具体的な強制力には欠けており、実効性については依然として不透明だ。自民党内では、無罪につながる証拠を開示しないまま抗告するといった検察の姿勢に批判が集まっており、検察の抗告を維持しつつ裁判所を縛る内容にはかえって批判が出る可能性がある。
施行状況の公表と5年後の見直し規定も
修正案にはさらに、改正法の施行状況を検証できるよう、検察による抗告の件数や理由、裁判所がスクリーニングで棄却した再審請求の件数などを、当分の間、公表するとの規定も盛り込まれた。施行後5年の見直し規定については、施行状況を勘案して検討を加え、「必要があると認める時は、所要の措置を講ずる」としている。
自民党の会合では、抗告の禁止を求める声が相次いでおり、修正案の内容で自民党の了承を得られる見通しは立っていない。政府法案を審査する自民党の会合では、4月下旬の閣議決定に向けた調整が難航する可能性が指摘されている。



