渋谷区、6月からポイ捨てに過料2000円 路上喫煙に続き拡大、巡回員50人配置
渋谷区、6月からポイ捨てに過料2000円 路上喫煙に続き拡大

東京都渋谷区は2025年6月1日から、区内全域でごみのポイ捨てをした人からその場で過料2000円を徴収する制度を開始する。これまで路上喫煙に対して過料2000円を徴収してきたが、空き缶や瓶、紙くずなどのポイ捨てにも対象を拡大する。巡回員を最大50人配置し、実効性を高める。このような取り組みは東京23区で初めてだ。

コロナ禍後に急増する放置ごみ

渋谷区によると、渋谷駅や原宿駅周辺など区内5カ所の特定エリアの歩道で、100メートル当たりの放置ごみを調査した結果、新型コロナウイルスが流行した2020年5月以降は平均8.0~25.3個で推移していた。しかし、人流が戻り始めた2024年2月ごろから急激に増加し、同年8月には最多の70.3個を記録。その後も37.2~56.3個で高止まりしている。昨年7月の調査では、ポイ捨てした42人に聞き取りを行い、9割以上が区民以外で、日本人と外国人がほぼ半々だった。

路上喫煙対策の延長線上で

区は2019年に路上や公共の場所での喫煙を禁止し、違反者からその場で過料2000円を徴収してきた。2025年度には、路上喫煙で過料処分を科した件数が2万件を超えている。路上喫煙防止で配置してきた巡回員を6月から増員し、最大50人が区内を巡回。路上喫煙とごみのポイ捨てへの指導・過料徴収を担う。昨年12月に条例を改正し、今年4月に施行。6月から過料が適用される。

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他自治体の取り組み

環境省によると、全国の市区町村の6割でごみのポイ捨てを規制する条例などを制定。うち44%の自治体が罰金や過料を規定している。池袋などの繁華街を抱える豊島区は2011年5月から、特定地区のポイ捨てに罰金2万円以下を科す条例を施行。警察が摘発することになるが、これまで実績はない。区によると、路上喫煙対策で巡回員の配置なども検討してきたといい、担当者は「巡回員などの費用と効果も考える必要がある。他区の取り組みをみていきたい」と、渋谷区の取り組みを注視する。

同様の条例をもつ新宿区も摘発例はない。条例の理念に基づき毎日、委託で清掃を続けている。区は「10年、20年前よりきれいになっている」と明かす。川崎市では1995年7月から、駅周辺など特定地区で、ポイ捨てに過料2000円を徴収する条例を施行するが、徴収実績はない。巡回員2人を配置し、見つけた場合は注意し、ごみを持ち帰ってもらえれば、徴収しないという。市の担当者は「ここ1年は注意の実績もない。条例はポイ捨てを禁止する抑止効果の意味合いもある」と説明する。

早朝のセンター街の現実

土曜日早朝の渋谷センター街。道路の端には酒やコーヒーの空き缶やペットボトルが点々と散らばり、街を汚していた。センター街の入り口近くでは、ほうきとちり取りを手に清掃する男性たちが、手際良くごみを集めてビニール袋に入れている。ごみはハチ公前広場に集められ、収集車に積み込まれた。男性たちはこの日、スクランブル交差点の周辺の歩道を担当。中には割れたウイスキーやワインのガラス瓶も。男性は「ガラスの破片は本当に危険。ガラス瓶の販売をやめてくれるといいのだが」と嘆く。

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渋谷区は1997年12月に「きれいなまち渋谷をみんなでつくる条例」を制定し、「自分のごみは、自分で持ち帰る」を基本に、ポイ捨て禁止の啓発活動に取り組んできた。しかし、啓発だけでは、きれいな環境を維持できなくなってきたという。清掃していた男性は、時代の変化も感じている。「以前は週末の放置ごみが多かったが、今は外国人観光客も多いので、曜日に関係なくごみが出てくる」。ただ、酔っ払ってごみを捨てる人に国籍は関係ない。「外国人は、日本の街はきれいだという印象を持ってくれているので、まだいいかもしれない」と話す。