高市早苗首相は18日、今夏の電気・ガス料金補助の再開を表明するとともに、補正予算の編成を検討する考えを初めて明らかにした。混迷が続く中東情勢の先行きが見通せず、対応を迫られた。金融市場をにらみながら、補助のあり方や予算規模を検討することになる。
方針転換の背景
2026年度補正予算の編成について検討していることを明かした首相だが、これまでは一貫して否定的な考えを示してきた。野党が補正予算による対策を求めても、「現時点で編成が必要な状況とは考えていない」と繰り返していた。
方針転換の背景には、中東情勢が混迷を深めていることがある。ホルムズ海峡の事実上の封鎖が解かれる兆しはまったく見えず、石油製品を日本に供給するアジアの国々でも原油不足が問題になっている。注目された米中首脳会談でも事態の改善につながる進展はなく、影響の長期化は避けられそうにない。対策やその財源手当てが後手に回って国民の不安が広がることは、首相としても避けたかったと見られる。
20日に今国会で初めての党首討論が開かれることも影響したようだ。野党は家計や企業の負担軽減対策を求めていただけに、自民党幹部からは「野党に迫られて対策を実施するかのように見られることは避けた方が良い」と早めの表明を求める声も出ていた。
今後の焦点
今後の焦点は、補正予算の規模や財源をどうするかだ。電気・ガス料金の補助については、夏場の需要増に対応するための追加措置が検討されている。政府関係者は「原油価格の高騰が続けば、家計や企業への影響は甚大だ」と指摘する。
一方で、補正予算の財源確保は容易ではない。2026年度当初予算では過去最大の歳出が計上されており、さらなる国債発行は財政悪化を招く恐れがある。政府内では「予備費の活用」や「他の事業の見直し」などが議論されているが、調整は難航が予想される。
専門家からは「補助金による一時的な負担軽減ではなく、構造的なエネルギー政策の転換が必要だ」との声も上がっている。首相は今後の党首討論や国会審議で、具体的な対策と財源について説明を求められることになる。



