ステップファミリー中傷の投稿拡散、継父の虐待リスクに統計的根拠なし
ステップファミリー中傷の投稿拡散、継父の虐待リスクに統計的根拠なし

ステップファミリー中傷の投稿拡散 継父は虐待多い?実は統計ない

夫婦のどちらかまたは双方に子どもがいる再婚家庭を「ステップファミリー」と呼ぶ。京都府南丹市で男児の遺体が見つかった事件をめぐり、こうした家族関係を中傷するSNS投稿が相次いでいる。専門家は、ステップファミリー全般に問題があるかのような風潮を危惧し、「サポートの乏しさにこそ目を向けてほしい」と強調する。

南丹市の事件では、死体遺棄に続き、5月6日に殺人容疑で逮捕されたのは安達優季容疑者(37)。亡くなった男児の母親と結婚し、養父にあたる。

朝日新聞がユーザーローカル社のSNS投稿分析ツール「ソーシャルインサイト」で「養父」「継父」「義父」を含む投稿を調べたところ、死体遺棄容疑で逮捕された4月16日には、前日の約1580件から約6180件に急増した。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

「子どもを虐待するリスクは、実父に比べて継父の場合は10倍~100倍」という投稿は、約1カ月で16万回ほど閲覧され、3000以上の「いいね」がついた。矛先は母親にも向かい、「シングルマザーは子供が成人するまで再婚すべきでない」という投稿の閲覧数は約8.5万回に上った。

「実親と同じとみなす幻想」が当事者を追い詰める

しかし専門家は、養父や継父による虐待リスクが高いという根拠は乏しいと指摘する。警察庁のまとめでは、2025年の虐待事件被害者2647人のうち、加害者が実父だったのは45.3%、養父・継父は16.6%。こども家庭庁が25年に公表したデータでは、2007~23年に心中以外の虐待で死亡した子どもの加害者は実父母が67.1%だったのに対し、養親・継親は2.7%だった。

明治学院大の野沢慎司教授(家族社会学)は「ステップファミリーの世帯数の正確な統計はなく、継父や養父が実父より虐待しやすいとは言えない」と指摘。その上で、「継親を実の親と同じとみなす幻想」が当事者を追い詰めていると述べる。この幻想とは、子どもと知り合って間もない継親に実親同様の役割を期待することを指し、それが過度なプレッシャーや摩擦を生むという。

野沢教授は「ステップファミリーに必要なのは、中傷ではなく、社会全体での理解と支援の充実だ」と訴えている。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ