クックパッド新サービスに料理研究家が異議、レシピの著作権巡り論争
クックパッド新サービスに料理研究家が異議、レシピの著作権巡り論争

クックパッド新サービスに料理研究家が異議

レシピサイト大手「クックパッド」が2026年3月中旬に提供を開始した新機能「レシピ取り込み」が、ネット上の料理研究家や料理愛好家の間で大きな波紋を広げている。この機能は、ユーザーがSNSや動画共有サイトで見つけた調理動画やレシピのURLをアプリに入力するだけで、自動的に材料や手順を抽出し、アプリ内に保存するというものだ。しかし、その利便性の裏で、オリジナルレシピの考案者からは「無断でコンテンツを利用するただ乗り行為だ」と強い反発が起きている。

新機能の仕組みと問題点

クックパッドの新サービスは、スマートフォン用アプリのアップデートとして提供された。ユーザーがYouTubeやInstagramなどで見つけた料理動画のURLをアプリに貼り付けると、数十秒でレシピが自動生成される。生成されたレシピには、動画から切り出した写真、材料とその分量、手順、さらには調理のコツまでが整理されて表示される。このレシピは外部には公開されず、取り込んだ本人だけが利用できる仕組みだが、問題は考案者の許可なくレシピが取り込める点にある。

実際に記者が試したところ、約12分のロールケーキの調理動画から、材料や手順が正確に抽出され、見やすい形式で保存された。この手軽さがユーザーには便利だが、一方で料理研究家らは「自分の創作したレシピが無断で利用されるのは許せない」と声を上げている。

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料理研究家らの反発

ネットで活躍する料理研究家のリュウジ氏は、自身のX(旧Twitter)で「必死に考えたレシピを無断で取り込まれては困る。これは明らかな著作権侵害だ」と批判。他の料理研究家も「動画制作には多大な時間と労力がかかっている」「無断利用が広がれば、オリジナルレシピの価値が損なわれる」などと異議を唱えている。

現在、多くのシェフや料理研究家がYouTubeなどで無料で調理法を公開しているが、それはあくまで自らの意思で情報を共有しているからだ。クックパッドの新サービスは、その意図を無視してレシピを「収奪」するものだとの批判が強い。

レシピの著作権を巡る議論

この問題は、デジタル時代におけるレシピの著作権の在り方を改めて問いかけている。料理のレシピは、アイデアや手順の組み合わせであり、著作権法で保護される「著作物」に該当するかどうかは、これまでも議論の的だった。しかし、近年は動画や写真を多用した独自の表現が加わることで、レシピがより明確な著作物とみなされるケースが増えている。

クックパッド側は「あくまで個人利用のための機能であり、公開はしない」と説明するが、批判する側は「個人利用であっても、無断で複製することは著作権法違反になり得る」と主張する。また、レシピの無断利用が広がれば、料理研究家の収入源である広告収入や書籍販売にも悪影響を及ぼす可能性がある。

今後の展望

クックパッドは今回の騒動を受け、機能の一部修正を検討しているとされるが、詳細は明らかにしていない。一方で、ユーザーからは「便利な機能を残してほしい」という声もあり、利便性と権利保護のバランスが問われている。

この問題は、料理業界だけでなく、デジタルコンテンツ全般における著作権の在り方にも波及する可能性がある。今後のクックパッドの対応と、業界全体のルール作りが注目される。

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