防災気象情報が5段階に、放送局向けウェビナーに9割超参加
防災気象情報5段階化、放送局向けウェビナーに9割超参加

4月下旬、気象情報会社のウェザーニューズ(WN社)がウェビナー(オンラインの勉強会)を開催した。気象庁などが発表する警報や注意報といった防災気象情報が変わることに対応するためだ。

新たな防災気象情報の概要

最大の特徴は、河川氾濫、大雨、土砂災害、高潮の四つの災害が、危険度に応じた5段階に整理されたことだ。名称には1~5のレベルが付される。従来の防災気象情報から「洪水」という文言がなくなる点も重要だ。

参加者からは「洪水という言葉を使うと不適切になるのでしょうか」という質問が寄せられた。講師役の社員は「洪水注意報や警報といった文言は使えませんが、洪水という一般的な言葉は問題ありません。しっかり使い分けてください」と答えた。カメラ越しに語りかける相手は、全国で災害報道に携わるアナウンサーや記者、技術者などの放送局員たちだ。

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ウェビナーの背景と目的

ウェビナーのタイトルは「防災報道を考える会」。WN社放送気象事業部の山本暢彦さんによると、新しい防災気象情報への変更を受けて各放送局から「複雑すぎる」「どんなフレーズを使って伝えればいいのか」といった声が多数寄せられたという。そのため、WN社は契約していない放送局にも声をかけ、全国の放送局の9割超が参加するに至った。

WN社が開発中の警報や注意報のサンプル画面を示しながら、警報発表時に視聴者に伝えるポイントを実際の原稿例を交えて説明した。「レベルが下がっても、注意報にならず警報が続く場合は『解除』ではなく、『発表』や『切替』といった言葉を使い、警戒が続くことを強調してください」といった、実践的な助言が行われた。

放送局の強みと新サービス

山本さんは、自分がいる場所の被災リスクを正しく把握していない人を想定し、「情報の見せ方と伝え方が重要だ」と強調。放送局の強みについても「リアルタイムの映像や現地からのリポート、視聴者の投稿映像などが、状況の悪化を伝えるうえで効果的」と指摘した。

3月からは、放送局向けの「ウェザーニュース for business」の提供を開始。WN社のアプリ利用者から1日約4万件届く画像や動画をそのまま番組で放送できるほか、地図上で浸水害の危険度をリアルタイムに表示できる新サービスだ。山本さんは「視聴者が避難する時にその場その場で判断できる情報提供を放送局ができるよう、引き続き勉強会を開催したり新しいサービスもリリースしたりしていきたい」と語った。

現場の戸惑い

気象庁などは、新たな防災気象情報の提供を28日から開始する。住民自ら避難の判断ができるようにと、専門家と「わかりやすさ」を求めて改められたが、現場からは戸惑いの声も聞かれる。

5月12日夜、宮崎県新富町。役場近くの施設で、区長向けの防災研修が行われた。集まった約10人に対し、町の危機管理専門官の黒田修さん(65)が「28日から、命に関わる大事な情報が変わります。この変更について、ご存じの方、どのくらいいるでしょうか?」と問いかけた。誰一人、手を挙げなかった。地域の防災リーダーを担う区長たちでさえ、新情報を知らなかったのだ。

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