日本政策投資銀行(政投銀)は16日、災害や感染症、サイバー攻撃、サプライチェーン(供給網)分断など、あらゆるリスクによる被害を低減するための投融資手法「リスクファイナンス」に関する国際規格を取得したと発表した。これは、国際標準化機構(ISO)が定める金融分野の規格として、日本が初めて取得したものである。
リスクファイナンスの国際規格とは
リスクファイナンスは、国や地方自治体、民間企業が自然災害やパンデミックなどの危機に直面した際、復旧・復興にかかる総費用を抑制するための資金供給の枠組みを指す。政投銀は、この規格を国際的に普及させることで、事前の備えを促進し、事後の対応コストを低減する狙いがある。
規格開発の背景と対象拡大
政投銀が規格開発を開始した2021年当初は、主に防災分野を想定していた。しかし、新型コロナウイルス禍への対応や経済安全保障の強化など、国際情勢の変化を受けて対象を拡大。現在では、サイバー攻撃やサプライチェーン分断、さらには中東情勢の混乱による原油価格高騰や石油由来製品の調達難など、多様なリスクに対応している。
政投銀設備投資研究所の蛭間芳樹主任研究員は、「事前に投資すれば事後の対応コストが低くなる」と指摘。備蓄や供給網の分散には費用がかかるものの、長期的には効果的だと説明している。
今後の展望
政投銀は、この国際規格を活用し、国内外の自治体や企業に対してリスクファイナンスの導入を促進する方針。国際的な枠組みとして広げることで、危機管理の強化と経済的損失の最小化を目指す。



