社会学者の上野千鶴子さんが、象徴天皇制そのものの幕引きを求める提案を月刊誌で発表した。上野さんは長年、天皇制について沈黙を守ってきたが、今回その戦略を変え、インタビューに応じた。
寄稿は雑誌「世界」8月号に掲載され、「憲法改正をするなら、第1条から手をつけるべきであろう」との提言を含んでいる。
メディアで初めて天皇制に正面から言及
上野さんは「天皇制についてメディアで正面から発言したのは初めてです。これまでは取材や執筆の依頼があっても、断ってきました」と述べた。
発言を断り続けてきた理由について、上野さんは次のように説明した。「肯定的な意見であろうと否定的な意見であろうと、人々が天皇制について語れば語るほど、天皇制への国民の関心は高まります。私が発言を断ってきたのは、天皇制への関心が薄れ、いつか制度としてフェードアウトしていけばいいと、長年思ってきたからです」
憲法1条改正の具体的な中身は
憲法1条は、天皇は日本国の象徴であり国民統合の象徴であると定めている。寄稿では1条改憲が提案されたが、具体的に何をどう変えるのかは書かれていない。
インタビューでは、天皇制をなくそうという提案なのかとの問いに対し、上野さんは「象徴天皇制に幕を引こうと」と語った。皇室を取り巻く現在の制度を具体的にどう変えるかについても、上野さんは自身のイメージを説明している。
皇族に「非人間的な生を押しつける」意味を問う
上野さんは皇族に「非人間的な生を押しつける」意味を考えたいとしている。ラジカルな天皇制議論をタブー視する傾向もある中での寄稿は、印象に残るものとなった。