政府、新たなFOIP外交指針案を策定 経済安保協力など3本柱で中国の威圧に対抗
政府、新FOIP外交指針案 経済安保協力など3本柱で中国に対抗

政府が新たな外交指針案を策定 経済安保協力など3本柱で地域の強靱性向上目指す

政府の新たな外交方針となる「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の改定案が明らかになった。この改定案では、インド太平洋地域の同志国との経済安全保障分野での連携強化を中心に据えた3本柱を掲げる方針だ。軍事面と経済面の両方で威圧的な行動を繰り返す中国を念頭に、地域全体の自律性と強靱性の向上を図ることが大きな狙いとなっている。

高市首相が施政方針演説で具体像に言及へ

複数の政府関係者によると、高市早苗首相は、FOIPを進化させた新たな方針について、20日に開催される特別国会での施政方針演説において、その具体的な像に言及する方向で検討を進めている。FOIPは、故安倍晋三元首相が2016年に提唱した外交方針であり、ルールに基づく国際秩序の構築、法の支配や航行の自由の定着、地域の安定を目指す構想として知られている。今年はその発表からちょうど10年の節目の年に当たり、高市首相はこの機会にFOIPを刷新する意向を示している。

新たなFOIPの3本柱と具体的な内容

新たなFOIPの改定案では、特定の国名を直接挙げることは避けつつも、中国の軍事力の拡大や経済的威圧など、10年前とは大きく様変わりしたインド太平洋地域の安全保障環境を十分に考慮に入れている。改定案の柱は以下の3点に集約される。

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  1. 経済基盤の強化
  2. 課題解決を通じた経済成長
  3. 安全保障面の連携

経済基盤の強化では、中国がレアアース(希土類)の輸出規制などを通じて経済的威圧を強めている現状を踏まえ、重要鉱物のサプライチェーン(供給網)の多角化を推進するなど、同志国間での経済安全保障協力を進める考えを示している。さらに、世論工作の手段となり得る中国製の安価なAI(人工知能)が広く普及していることを念頭に、同志国とのAI共同開発を促進する方針も盛り込まれている。

経済成長の分野では、従来のFOIPの基本理念を引き継ぎ、地域内外の連結性の強化や自由貿易の推進を掲げている。また、トランプ米政権が関税措置などで保護主義的な政策を進める中、日本、英国、オーストラリアなど12か国が参加する「包括的及び先進的な環太平洋経済連携協定(CPTPP)」をさらに推進していく方針も明確に記されている。

安全保障分野では、日米同盟を基軸としつつ、日本のシーレーン(海上交通路)に位置するフィリピンなど東南アジア諸国連合(ASEAN)との連携強化を打ち出している。具体的には、防衛装備品の輸出拡大に加えて、価値観を共有する国々に対して装備品の無償供与などを行う「政府安全保障能力強化支援(OSA)」を通じた協力の拡大を検討している。

地域の安定と国際秩序の維持を目指して

この新たなFOIP改定案は、中国の台頭によって変化する地域情勢に対応し、インド太平洋地域の安定と繁栄を維持するための日本の戦略的アプローチを明確に示している。経済面と安全保障面を統合した包括的な方針は、同志国との連携を深め、地域全体の強靱性を高めることを目的としている。高市首相の施政方針演説では、これらの具体策がどのように展開されるかが注目される。

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