日本、フィリピンに沿岸監視レーダー5基を無償供与 OSA初合意案件として防衛協力強化
日本政府がフィリピンへの無償供与を決定した沿岸監視レーダー5基の引き渡し式典が11日、マニラのフィリピン軍施設で行われました。この式典には、フィリピンのテオドロ国防相と日本の遠藤和也大使が出席し、両者は握手を交わして協力関係を確認しました。
OSA枠組みにおける初の合意案件
供与されるレーダー5基は、総額で約6億円相当にのぼります。この案件は、日本が同志国軍を支援するための枠組みである「政府安全保障能力強化支援(OSA)」を2023年に創設した際に、相手国と初めて合意に達した重要なプロジェクトです。
OSAは、非軍事の途上国支援を中心としてきた戦後日本の路線を転換するものとして、国際的に注目を集めています。今回のレーダー供与は、その象徴的な事例として位置づけられています。
中国を念頭に抑止力強化を図る両国
日本とフィリピンは、中国の海洋進出などを背景に、協力して抑止力の強化を目指す考えです。具体的な供与の合意は、2023年11月にマルコス・フィリピン大統領と当時の岸田文雄首相が会談で確認しました。
この合意以降、引き渡しまでには2年以上の期間を要しました。その間、OSAに基づく他の案件、例えばマレーシアやフィジーへの救難艇の引き渡しなどが完了しています。
地域の安全保障環境への影響
今回のレーダー供与は、東南アジア地域における安全保障協力の新たなモデルケースとなる可能性があります。日本としては、OSAを通じて、同志国との防衛能力向上を支援し、地域の安定に貢献する方針です。
フィリピン側にとっては、これらのレーダーを活用することで、自国の沿岸監視能力が大幅に向上することが期待されます。これにより、海上の安全確保や、潜在的な脅威への対応力が強化される見込みです。
今後も日本は、OSA枠組みを活用して、他の友好国との防衛協力を拡大していく構えです。この動きは、国際社会における日本の役割の変化を反映するものとして、引き続き注目されるでしょう。