大分県日田市、公共下水道の民間委託「ウォーターPPP」導入を目指す
大分県日田市は、公共下水道の維持管理業務や更新工事などを一括して民間に委託する制度「ウォーターPPP」の導入を目指す方針を固めた。2029年度にも導入を目指しており、豪雨による浸水被害が頻発する中、限られた人的資源を雨水排水路の整備に集中させる狙いがある。今後、市民や地元業者などに説明を行い、理解が得られれば早期の実現を図る予定だ。
ウォーターPPP導入の背景と目的
ウォーターPPPは国が2023年度に制度化したもので、共同企業体などと原則10年の長期契約を結ぶ仕組みである。日田市は、公共下水道のみを対象に、施設の所有権や運営権を市が保持する「レベル3・5」と呼ばれる方式での導入を検討している。これにより、公共下水道事業の枠内で実施している雨水排水路の整備は直営を続ける方針だ。
市によると、公共下水道は1981年に供用が始まり、総延長は約300キロに及ぶ。現時点では耐用年数の50年を超えた汚水管はないが、数年のうちに増え始める見通しである。更新時の国の補助(約2分の1)がなくなり財政状況が悪化する事態を避けるため、補助要件となる制度の導入を目指すことにした。
人的資源の効率化と将来の課題
また、汚水管や雨水排水路(総延長約38キロ)の維持管理にあたっている技術職員は6人中5人が40歳代以上であり、今後、人員不足が顕在化する恐れも指摘されている。汚水関連業務にウォーターPPPを導入することで、雨水排水関連業務に職員が専念できる体制の構築が望ましいと判断した。
市上下水道局の梶原浩正局長は、5日の市議会代表質問で「導入の方向性をたたき台として、今後、市民や地元業者の意見を聴取する。その内容を踏まえ、市としての最終方針を決定したい」と述べた。今夏をめどに最終方針をまとめることができれば、2年の準備期間を経て2029年度からの導入が可能とみている。
この取り組みは、豪雨災害への対応強化や公共インフラの持続可能な管理を目指すもので、地域の防災力向上にも寄与することが期待される。



