茨城県水戸市の県近代美術館で、企画展「水墨画を楽しむ7つのとびら」が開催されている。幕末から現代まで、加山又造の大作「牡丹」など著名な画家の作品約70点を展示。鑑賞の手掛かりとなるキーワードを示し、水墨画の魅力を伝えている。会期は6月21日まで。
五感でイマジネーションを広げる
第一章は「五感でイマジネーションをひらく」をテーマに、平福百穂の「獅子図」などを紹介。毛の触感を墨のかすれや濃淡で表現した技法が際立つ。第三章「余白・切り取りの美学を考える」では、竹内栖鳳の「烏図屛風」など、描かれていない空間から広がりを感じさせる作品を展示。
筆の痕跡と奥深さ
第七章「筆の痕跡に注目」では、縦2.5メートル、横5.2メートルの加山又造「牡丹」が圧巻。墨の照りの使い分けで立体感を生み出す奥深さを体感できる。また、文人画家・富岡鉄斎の絵と文字の表現、川合玉堂の作品にみる人物の点景が生活感を醸し出すなど、多彩な水墨表現の魅力を伝えている。
展示作品は富山県水墨美術館のコレクションから厳選。「たらし込み」などの専門用語を解説するパネルも設置。担当学芸員の高田紫帆さんは「水墨画の世界は白と黒が基調の色彩に、無限の広がりを見せる。多様な『とびら』を開くことで、豊かで奥深い世界に踏み出してみて」と話す。
関連イベントと無料展示
30日には学芸員による鑑賞講座が催される。月曜休館で、一般観覧料は1240円。問い合わせは同館(電029-243-5111)へ。
また、墨つながりで書道パフォーマンス日本一の水戸葵陵高校書道部員による筆文字作品を、1階アートフォーラムに無料展示。館職員が制作した提灯のような和紙の装飾も彩りを添える。来館者は鑑賞した感想を書いて作品に貼れるほか、筆ペンでの水墨画体験も楽しめる。



