イタリア司法改革の憲法改正案、国民投票で否決 メローニ政権に痛手
イタリアで3月22日から23日にかけて実施された司法制度改革に関する憲法改正の国民投票において、反対票が約53%、賛成票が約47%となり、改正案は否決されました。この結果は、改革を主要政策として推進してきたジョルジャ・メローニ首相率いる政権にとって、大きな政治的打撃となりました。
争点は裁判官と検察官のキャリア体系の完全分離
今回の国民投票の主な争点は、従来単一だった裁判官と検察官のキャリア体系を完全に分離するか否かでした。改正案には、裁判官と検察官の職務変更を不可能にすること、さらに政府から独立した人事管理を担う組織を二つに分離することなどが盛り込まれていました。これらの改革は、司法の独立性と効率性を高めることを目的としていました。
メローニ首相は、投票結果を受けてソーシャルメディアX(旧ツイッター)で「この決定を尊重する。しかし、イタリアを近代化する貴重な機会を逃してしまった」と表明し、落胆の意を伝えました。一方、最大野党である民主党のエリザベッタ・シュライン書記長は「間違った改革を止めることができた。これは市民の勝利だ」と述べ、否決を歓迎する姿勢を示しました。
2027年総選挙を前に政権運営に影響
この国民投票の否決は、2027年までに実施が予定されている次期総選挙を前に、メローニ政権の求心力に影響を与える可能性が指摘されています。司法改革は同政権が掲げる看板政策の一つであり、その挫折は政権支持基盤の動揺を招く恐れがあります。また、イタリアの政治状況において、司法制度の在り方は長年にわたり議論の的となっており、今回の結果は今後の政策議論にも波及する見込みです。
国際的な観点から見ると、イタリアの司法改革の行方は、欧州連合(EU)内での法の支配に関する議論にも関連し、注目を集めています。メローニ政権は、国内の近代化を進めるとともに、EUとの協調を図る中で、今回の否決が外交政策にも影響を及ぼすかどうかが今後の焦点となるでしょう。



