鹿児島県警がサイバー事案対処室を新設、SNS乗っ取り相談の急増に対応
鹿児島県警察本部は、2025年に摘発したサイバー犯罪の件数が236件に上り、前年比で74件増加して過去最多を記録したことを明らかにしました。全国的にサイバー犯罪が増加傾向にある中、県警はこの問題に対処するため、新たにサイバー事案対処室を設置し、対策を強化しています。特に、SNSアカウントの乗っ取りに関する相談が急増しており、県警の担当者は「誰でも被害に遭う可能性があるため、少しでも不安があれば早めに相談してほしい」と呼びかけています。
摘発件数は4年連続で増加、サイバーパトロールや合同捜査を強化
鹿児島県警による摘発件数は、4年連続で増加しており、2023年以降、毎年最多を更新しています。この背景には、インターネット上で違法な情報がないかを確認するサイバーパトロールの実施や、他県警との合同捜査の強化が挙げられています。県警は、これらの取り組みを通じて、サイバー空間の監視体制を整備し、犯罪の早期発見と防止に努めています。
2025年の摘発件数の内訳を見ると、公職選挙法違反が87件、詐欺が41件、犯罪収益移転防止法違反が38件、名誉毀損が10件、脅迫が9件などとなっています。特に注目されるのは、昨年7月に行われた参院選において、特定の候補に投票を呼びかけたとして、県内のパチンコ店の関係者ら117人を公職選挙法違反容疑で書類送検した事例です。このうち、SNSなどを利用した87件がサイバー犯罪に該当するとされています。
SNSアカウント乗っ取り事件で10代少年を逮捕、合同捜査で成果
さらに、昨年10月には、千葉県警や宮城県警などとの合同捜査により、SNSアカウントを乗っ取って不正にお金を引き出したなどとして、10歳代の少年2人を組織犯罪処罰法違反容疑などで逮捕しました。この事件は、若年層によるサイバー犯罪の深刻化を示す事例として、社会に衝撃を与えています。県警は、こうした事件を契機に、青少年への教育や啓発活動にも力を入れていく方針です。
一方で、県警に寄せられた相談件数は2872件と、前年比で797件減少しており、減少傾向にあります。県警は、この減少の要因として、県民のインターネットに関する情報リテラシーが高まっていることを挙げています。ネット利用者の意識向上が、相談件数の減少につながっている可能性があると分析しています。
サイバー犯罪対策の今後と県民への呼びかけ
鹿児島県警は、サイバー事案対処室の新設を機に、さらなる対策を推進していく計画です。具体的には、最新の技術を活用した捜査手法の導入や、他機関との連携強化を図り、サイバー犯罪の撲滅を目指します。また、県民に対しては、定期的なセミナーや広報活動を通じて、サイバーセキュリティの重要性を訴えていく予定です。
県警の担当者は、「サイバー犯罪は日々進化しており、対策も不断の見直しが必要です。県民の皆様には、怪しいメールやSNSのメッセージに注意し、個人情報の保護に努めてほしい」と強調しています。今後も、鹿児島県警は、サイバー犯罪の摘発と予防に全力を注ぎ、安全なネット環境の構築に貢献していくとしています。



