元米国家サイバー長官が警鐘 組織的攻撃に対応する国境越え連携の必要性
元米サイバー長官 国境越え連携で組織的攻撃に対応を

サイバー攻撃からインフラを守る国際フォーラム開催 元米高官が警鐘

笹川平和財団と読売新聞社は4日、東京都内でサイバー攻撃から社会基盤を守る方策を議論する国際フォーラムを開催しました。日米の元政府高官や専門家が参加し、ウクライナやイランでの事例を教訓に、官民連携による備えの強化が重要だと指摘されました。

クリス・イングリス氏の経歴と見解

クリス・イングリス氏は米空軍出身で、国家安全保障局副局長などを歴任し、2021年から2023年までバイデン政権で初代国家サイバー長官を務めました。同氏は、技術革新が進む一方でサイバー脅威が拡大し、知的財産の盗難やランサムウェアによる医療システムの停止など、深刻な影響を及ぼしていると強調しました。

近年、政府機関や民間企業を標的としたサイバー攻撃が激化しており、国家レベルの攻撃は電力網や衛星システム、海上物流などの脆弱性を狙った戦略的・組織的なものだと述べています。約250年前のアイルランドの政治家エドマンド・バークの言葉を引用し、「善良な人々が何もしないことが悪の勝利につながる」と警鐘を鳴らしました。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

日本と米国が直面する三つの脅威

イングリス氏は、日米が直面する脅威を以下の三つに分類しました。

  1. 国家レベルの攻撃: 数は少ないが影響が甚大で、敵対国が多額の投資で能力を強化しています。
  2. 国際的な犯罪組織: 組織化された活動で、病院や工場、地方自治体を標的としています。
  3. AI主導の脅威: 悪意ある勢力がソーシャルメディアに偽情報を氾濫させています。

日本の未来を守るためには、「全てのサイバー攻撃を防ぐことは不可能」という現実を受け入れ、政府のみに依存せず、公共機関と民間企業が即時に連携する必要性を訴えました。

官民連携と国際協力の強化

自衛隊、警察庁、民間サイバーセキュリティー企業の専門家チームを構築し、単独では達成できない任務を遂行することで、官民連携を「象徴」から「運用」へと変えていくことが重要だと指摘しました。日本の能動的サイバー防御関連法は、自国のネットワーク内に限定されていた防御態勢から、法的・倫理的監視の下で脅威を事前に検知・妨害・無力化することを可能にし、安全保障政策の歴史的前進を意味すると評価しました。

防衛は国境で終わらず、情報共有の枠組みや共同サイバー演習を通じて、米国、豪州、EU、インド太平洋地域のパートナーと相互運用性を強化する必要があります。高度な人材の育成が不可欠で、AIは支援するが人間の責任を代替できないと強調しました。

サイバーセキュリティーは失敗するまで目に見えず、過小評価されがちですが、安全を守るためには粘り強く、透明性を持って共に取り組むことが求められています。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ