埼玉県平和資料館で戦時中の絵日記など初公開50点 戦争の記憶を未来へ伝える企画展
埼玉県平和資料館で戦時中の絵日記など初公開50点 (27.03.2026)

戦時下の日常を伝える貴重な資料が初公開

埼玉県東松山市岩殿の埼玉ピースミュージアム(県平和資料館)において、戦時中の世相を現代に伝える特別な企画展が開催されています。この展示会では、近年寄贈された歴史的資料の中から厳選された80点が公開されており、そのうち実に50点がこの1年間に整理を終えたばかりの初公開資料となっています。

1942年の女児の絵日記が語る戦前の日常

特に注目を集めているのは、国民学校(現在の小学校)に通っていた3年生の女児が1942年に記した絵日記です。この資料は、米軍による空襲が本格化する前の時期に作成されたもので、「お習字に行きました」といった日常的な記述が残されています。戦時下でありながら、まだ平穏な「日常生活」が続いていた様子がうかがえる貴重な記録です。

この絵日記は、2年前に亡くなった女性の遺品を整理していた際、ビニール袋に入れて丁寧に保管された状態で発見されました。家族によって大切に守られてきた歴史の一片が、現代に蘇った瞬間でした。

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戦時を象徴するさまざまな展示品

展示会場には、戦争に関連する多様な寄贈資料が並んでいます。

  • 紀元二千六百年祝典記念章:神武天皇の即位2600年を祝って1940年に授与された記念章で、菊花紋章や宮城(現在の皇居)が精巧に彫り込まれています。
  • 出征時の写真:1933年頃に撮影されたとされる写真には、日の丸や旭日旗が鈴なりに掲げられる中、高齢者から乳児までの親族総出で兵士を見送る様子が克明に記録されています。
  • 国民年鑑:東京新聞の前身の一つである国民新聞が1941年に出版したこの年鑑は、当時の日本に関するさまざまな情報を網羅した1冊で、奥付には定価1円30銭という記載も残されています。

未来へ継承する戦争の記憶

この企画展は「寄贈資料展-未来に伝える戦時の記憶-」と題され、戦争の悲惨さと平和の尊さを次世代に伝えることを目的としています。展示資料の多くは一般市民から寄贈されたもので、戦時中の人々の生活や思いが色濃く反映されています。

会場を訪れた人々は、これらの資料を通じて、教科書では学べない戦時下のリアルな日常に触れることができます。一枚の絵日記、一つの記念章、一枚の写真――それぞれが戦争という大きな歴史の中に生きた個人の物語を静かに語りかけています。

展示会の詳細情報

この企画展は5月17日まで開催されており、入館は無料です。開館時間は午前9時から午後4時30分までで、月曜日は休館日となります(月曜日が祝日の場合は翌平日が休館)。より詳しい情報については、埼玉ピースミュージアム(電話:0493-35-4111)までお問い合わせください。

戦後から長い歳月が経過した今、戦争の記憶を直接語れる人々が少なくなる中、こうした資料の保存と公開は極めて重要な意味を持っています。埼玉県平和資料館の取り組みは、戦争の悲惨さを風化させず、平和の大切さを未来へ確実に継承していくための貴重な試みと言えるでしょう。

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