エチオピアとエリトリアの緊張が再燃、非難合戦が過熱
アフリカ東部のエチオピアとその隣国エリトリアの関係が、再び悪化の一途をたどっている。両国は2018年に長年にわたる国境紛争の終結で合意し、エチオピアのアビー首相はこの功績を評価され、翌2019年にノーベル平和賞を受賞した。しかし、最近では両国政府間の非難合戦が激化しており、過去の紛争が再燃する可能性も懸念されている。
相互非難と軍事的緊張の高まり
現地報道によると、エリトリアのイサイアス大統領は今年1月、エチオピアが「戦争を宣言した」と強く主張した。これに対し、エチオピア側も反発を強めている。エチオピアのゲディオン外相は、エリトリアのオスマン外相に宛てた今月7日付の書簡で、自国領内にエリトリア軍が「侵攻」していると指摘し、即時撤収を要求した。さらに、エチオピア国内の武装勢力への支援を中止するよう求めるなど、外交的な対立が先鋭化している。
対立の背景にあるエチオピア北部紛争
この緊張関係の根底には、2020年から2022年にかけて発生したエチオピア北部紛争が深く関わっている。この紛争では約60万人が死亡したと推定されており、反政府勢力であるティグレ人民解放戦線(TPLF)と戦ったエチオピア軍を、当時エリトリアが支援した経緯がある。しかし、和平合意のプロセスからエリトリアが「除外」されたことで、両国関係は再び険悪な方向へと転じた。
現在、両国間の外交的対話はほとんどなく、相互不信が増大している状況だ。国際社会では、この地域の安定を損なう可能性があるとして、早期の対話再開を促す声が上がっている。エチオピアとエリトリアの関係悪化は、アフリカの角と呼ばれる地域全体の安全保障にも影響を及ぼす恐れがあり、今後の動向が注視される。



