中東海峡封鎖で原油高騰、銭湯や地場産業に試練 社会転換の声も
中東海峡封鎖で原油高騰、銭湯や地場産業に試練

中東情勢悪化が国内産業に直撃 原油高騰で銭湯や地場産業が試練に直面

日本から1万キロ以上離れた中東での海峡封鎖が、原油に依存する現代社会にじわじわと影響を及ぼしている。燃料価格の高騰が、値上げが難しい銭湯や、何度も試練を味わってきた地場産業を直撃。社会全体のエネルギー転換という発想が必要ではないかという声も上がり始めている。

銭湯業界の深刻な危機 重油価格の急騰で経営圧迫

「長期化したら、廃業が増えてしまうんちゃうかなと心配です」

大阪府公衆浴場業生活衛生同業組合の北出守・常務理事(65)はこう語り、危機感をあらわにする。同組合に加盟する約240の銭湯のうち、約35%は湯を沸かすボイラーの燃料として、原油からつくる重油を使用している。

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北出氏によれば、米国のイラン攻撃が始まる前には1リットル100~105円だった重油の仕入れ価格が、4月には153円まで急騰。この価格上昇が、すでに経営を圧迫しているという。

値上げできない「一般公衆浴場」のジレンマ

危機感が特に強いのは、「一般公衆浴場」に位置づけられる伝統的な銭湯だ。スーパー銭湯などの「その他の公衆浴場」と異なり、自由に値上げができない制度的な制約がある。

一般公衆浴場は市民の衛生に貢献する存在とされ、戦後のインフレ対策で国が導入した物価統制令の対象として唯一残っている。入浴料金の上限額は都道府県知事が指定しており、大阪府では現在600円に設定されている。

組合は3月末、この上限額の引き上げを求めたが、審議会を経る必要があり、迅速な対応が難しい状況だ。すでに臨時休業を始めた銭湯も出始めており、業界全体が緊迫した空気に包まれている。

地場産業にも波及する影響 社会転換の必要性

原油高騰の影響は銭湯だけにとどまらない。長年にわたり様々な試練を乗り越えてきた地場産業にも、燃料費や原材料費の上昇という形でじわりと波及している。

専門家の間では、中東情勢の悪化が長期化する可能性を指摘する声もあり、単なる一時的な価格変動ではなく、社会全体のエネルギー構造を見直す転換期が来ているのではないかという議論も始まっている。

ある批評家は、SNS上で3月半ばの段階から、国内の燃料不足が近く始まり、ゴールデンウィーク頃に本格化する可能性を指摘。医療や各種生産の危機、夏には物流の機能停止、エアコンを含む電力制限、秋口には国民レベルでの食料入手困難など、多角的な影響が懸念されると警告している。

中東の地政学的リスクが、遠く離れた日本の日常生活や地域産業に直接的な影響を与える現代社会の脆弱性が浮き彫りになる中、エネルギー安全保障と社会経済構造の見直しが急務となっている。

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