【カイロ=村上愛衣】米紙ニューヨーク・タイムズは13日、ペルシャ湾岸のバーレーンからイランに向けてミサイルが発射されたと報じた。同紙は、ソーシャルメディアに投稿された動画を詳細に分析した結果、この事実を確認したとしている。これは、米国とイスラエルによる対イラン軍事作戦が先月末に開始されて以来、湾岸諸国側からのイラン攻撃が初めて確認された事例として注目を集めている。
動画に映る米国製兵器と発射主体の不明点
同紙の報道によると、分析された動画には、米国製の高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」が映っていたことが明らかになった。HIMARSは、長距離射撃能力を持つ兵器として知られており、その存在が攻撃の規模と意図を暗示している。しかし、重要な点として、このミサイル発射がバーレーン軍によるものなのか、それともバーレーンに駐留する米軍によるものなのかは、現時点では不明であるとされている。この不透明さが、地域の安全保障環境にさらなる緊張をもたらしている。
湾岸諸国における米軍基地の標的化と被害拡大
背景として、米軍基地が点在する湾岸諸国は、イランによる米国への報復攻撃の標的となり、被害が拡大し続けている。特に、バーレーンには米海軍第5艦隊司令部が置かれており、過去に攻撃を受けた経緯がある。今回のミサイル発射は、こうした報復の連鎖の中で発生した可能性が高く、地域全体の紛争リスクを高めている。火災が発生した空港近くのガソリンスタンドの映像も伝えられており、攻撃が民間施設に及ぶ危険性も示唆されている。
この事態は、中東情勢の緊迫化を象徴する出来事として、国際社会から強い関心を集めている。今後、発射主体の特定や攻撃の詳細な経緯が明らかになることで、地域の安全保障政策や外交関係に影響を与える可能性が高い。



