中東観光地に打撃、ピラミッド閑散でラクダ使い「客6~7割減」ツアーキャンセル相次ぐ
米国とイスラエル、イランによる攻撃の応酬が、中東各地の観光地に深刻な打撃を与えている。観光シーズンを直撃する形で、関係者からはため息が漏れ、世界遺産を擁する地域でも閑散とした状況が続いている。
ピラミッド展望エリアで目立つのはラクダ
エジプト・カイロ西方のギザにそびえる世界遺産のピラミッド。3月11日午前の展望エリアを訪ねると、観光客はわずか20人ほどしかおらず、数百人規模で混み合うはずの時間帯にもかかわらず、閑散としていた。目立つのは、待機するラクダの姿だ。
「ラクダに乗る客も6~7割減った」。そう話すラクダ使いのアーデル・ハッサンさん(60)は、暇をもてあましている様子だった。通常は観光客でにぎわうエリアが、現在は静けさに包まれ、観光業の冷え込みを如実に示している。
日本からの団体旅行予約が5分の1に激減
カイロの旅行業者によると、イランの攻撃を受けるペルシャ湾岸のアラブ首長国連邦・ドバイやカタール・ドーハで乗り継ぐツアーが「軒並みキャンセルになった」という。特に3月は、日本からの団体旅行の予約件数が5分の1に激減したと報告されている。
この影響はエジプトだけにとどまらない。ヨルダンでも観光業界が大きな打撃を受けており、映画「インディ・ジョーンズ」の舞台になった世界遺産のペトラ遺跡では、3月と4月のツアー予約のキャンセルが相次いでいる。
地元旅行業者が「収益が例年の5割以下」と嘆く
地元の旅行業者は電話取材に対し、「年間の収益が例年の5割以下になりそうだ」と嘆いた。中東情勢の緊迫化が、観光需要を急速に冷え込ませ、地域経済にまで影響を及ぼしている実態が浮き彫りになっている。
観光シーズン真っ只中であるにもかかわらず、中東の主要観光地では、国際的な緊張が直接的な打撃となって現れ、関係者の不安は高まっている。今後も情勢の推移が観光回復のカギを握るとみられる。



