チベット亡命政府、中国の後継介入を「悪意ある政策」と強く非難
インド北部ダラムサラに拠点を置くチベット亡命政府は、2026年3月10日、中国がチベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマ14世(90歳)の後継者問題に関して「悪意ある政策」を進めていると非難する声明を発表しました。亡命政府は「このような企ては誰にも受け入れられない」と主張し、中国の介入を強く批判しています。
中国の後継者選定への介入が焦点
中国は、ダライ・ラマに次ぐ宗教的権威を持つとされる指導者の後継を独自に選ぶなどして、後継者問題に積極的に介入しているとされています。亡命政府は声明の中で、中国が「演出された会合や台本通りの演説を通じ、任命した後継者を利用している」と指摘し、その手法を問題視しました。
ダライ・ラマ14世は昨年7月、自身の死去後に生まれ変わりを探す「輪廻転生」制度を継続すると発表していましたが、これに対して中国外務省は、中国政府の承認が必要だとの立場を示しています。この対応が、亡命政府の非難を招く一因となっています。
国際社会における宗教と政治の複雑な関係
チベット亡命政府の声明は、宗教的自由と政治的主権を巡る長年の対立を浮き彫りにしています。中国はチベットを自国の一部と主張し、宗教指導者の後継問題にも影響力を行使しようとしていますが、亡命政府側はこれを「悪意ある政策」として拒絶しています。
この問題は、国際的な人権や宗教的自治の観点からも注目されており、今後の展開が懸念されます。亡命政府は声明を通じて、中国の介入がチベット仏教の伝統を損なう可能性があると警告しています。



