トランプ米大統領は29日、中国に対する追加関税の一時停止を発表した。米中貿易協議の進展を受け、相互関税の一部を90日間停止することで合意したと明らかにした。ホワイトハウスで記者団に語ったところによると、両国は新たな貿易協定の枠組みについても協議を進めており、今後の交渉に弾みがつくとの見通しを示した。
関税停止の背景と詳細
今回の措置は、米中両国が先週ワシントンで行った閣僚級協議で一定の進展が見られたことを受けたもの。トランプ大統領は「中国側が知的財産権の保護や市場開放で前向きな姿勢を示した」と評価し、相互に関税を停止することで合意したと述べた。停止期間は90日間で、その間に本格的な貿易協定の締結を目指す。
対象となるのは、米国が中国からの輸入品に課している追加関税の一部と、中国が米国製品に課している報復関税の一部。具体的な品目や税率については今後公表される見通し。ただし、既に発動されている関税の一部は継続され、完全な撤廃には至っていない。
市場の反応と今後の展望
この発表を受け、ニューヨーク株式市場ではダウ工業株30種平均が一時300ドル以上上昇するなど、好感された。一方で、専門家からは「一時停止は歓迎すべきだが、根本的な解決には至っていない」との慎重な声も上がる。米中両国は今後、通商交渉の第2段階として、産業補助金や国有企業の扱いなど、より難しい課題に取り組む必要がある。
トランプ大統領は「中国との関係は良好な方向に向かっている」と強調し、今後の交渉に自信を示した。しかし、議会内では「中国に対する強硬姿勢を緩めるべきではない」との批判もあり、今後の政局にも影響を与える可能性がある。



