中国全人代が第15次5か年計画を圧倒的賛成で採択、先端技術開発を重点化
北京で開催されていた中国の全国人民代表大会(全人代)は3月12日、2026年から2030年までの経済・社会政策の指針となる「第15次5か年計画」を採択し、閉幕しました。習近平政権は、米国との競争に打ち勝つことを明確な目的として掲げ、計画に基づく科学技術の「自立自強」を加速させる構えを示しています。
圧倒的賛成多数で採択、先端分野に重点投資
新たな5か年計画は、出席した2,762人の代表のうち、反対票と棄権票がわずか3人にとどまり、99.9%という圧倒的賛成多数で採択されました。計画では、米国との対立が長期化することを見据え、人工知能(AI)や量子技術などの先端分野を重点的に発展させる方針が明記されています。これにより、中国は技術的自立をさらに推進し、国際競争における優位性の確保を目指す姿勢を鮮明にしました。
経済成長目標と国防予算増額も決定
閉幕した全人代では、第15次5か年計画の採択に加えて、2026年の経済成長率目標を「4.5~5.0%」とする政府活動報告が承認されました。また、前年比7%増となる国防(軍事)予算を含む政府予算案も可決され、安全保障面での強化が図られています。さらに、中華民族の団結を促進する「民族団結進歩促進法」も成立し、国内の結束を高める政策が推進されることになりました。
指導部が計画の重要性を強調、一部欠席者に注目
共産党序列3位の趙楽際・全人代常務委員長は、閉幕式において「新5か年計画期間の戦略的位置づけを深く理解し、目標・任務を正確に把握しなければならない」と訴え、計画の実施に向けた強い決意を示しました。一方で、閉幕式の欠席者は116人に上り、党指導部の政治局員である張又侠・中央軍事委員会副主席と馬興瑞・前新疆ウイグル自治区党委員会書記の姿が確認されませんでした。
香港紙・明報は3月12日、軍代表団が7日に開催した分科会のニュース映像を分析した結果、代表であるはずの常丁求・空軍司令官など上将8人が参加していなかったことを指摘し、失脚の可能性に言及しています。このような動向は、中国指導部内部の人事変動や権力構造の変化を示唆するものとして、国際的な注目を集めています。
今回の全人代では、米国との技術競争を意識した先端分野への重点投資が明確に打ち出され、中国が今後5年間でどのような経済・社会政策を推進していくかが示されました。計画の実施過程では、技術開発の進捗や国際関係への影響が引き続き注視されることになるでしょう。



