日本政府、EUのEV優遇政策に修正要請へ 欧州市場での日本車不利を懸念
日本政府が欧州連合(EU)に対し、電気自動車(EV)への購入支援などで「欧州製」を優遇する政策の修正を求める方針を固めたことが明らかになりました。関係者への取材により判明したこの動きは、欧州市場における日本車の競争力低下を防ぐための重要な措置となります。
5月の閣僚級会合で正式に提起へ
日本政府は2026年5月に開催予定の閣僚級会合において、この問題を正式に提起する計画です。具体的には、英国や日本で製造された自動車が欧州市場で公平に扱われるよう、EUに対して強く要請する方針です。
「欧州市場で日本車が競争上、不利になりかねない」との懸念が背景にあります。日本政府や産業界は、欧州製EVの優遇政策が日本車メーカーに与える影響を深刻に捉えているのです。
問題視される「産業加速法案」の内容
日本側が特に問題視しているのは、EU欧州委員会が2026年3月に発表した「産業加速法案」です。この法案は、中国メーカーの安値攻勢に対抗し、域内製品の購入を増やして産業を強化することを目的としています。
法案の主な内容は以下の通りです:
- 脱炭素に対応した製品において、欧州製を優遇する措置を導入
- 欧州で企業が社有車としてEVを導入する際の購入支援条件として、EU域内での組み立てを要求
- 電池を除く70%以上の部品をEU製とすることを条件に設定
日本車メーカーへの具体的な影響
この政策が実施されれば、日本車メーカーにとって大きな影響が予想されます。その理由は明白です。日本勢はEU域外で生産したEVを欧州市場で販売しているため、新たな条件を満たすことが困難になる可能性が高いのです。
特に懸念される点は:
- 欧州市場における日本製EVの価格競争力の低下
- サプライチェーンの再構築が必要となる可能性
- 欧州市場でのシェア減少リスク
今後の展開と修正の可能性
EUの「産業加速法案」はまだ最終決定段階には至っておらず、EU加盟国や欧州議会の承認が必要です。このため、日本政府からの要請を受けて、政策内容が修正される可能性も残されています。
国際貿易の公平性と、気候変動対策としてのEV普及促進のバランスが、今後の交渉の焦点となるでしょう。日本政府は、保護主義的な措置ではなく、公正な競争環境の維持を求めていく方針です。
この問題は、単なる自動車産業の問題にとどまらず、日欧間の経済関係や、脱炭素社会実現に向けた国際協力の在り方にも影響を及ぼす重要な課題となっています。



