トランプ大統領の新たな追加関税が各国・地域の貿易構造に影響
トランプ米大統領が導入を表明した15%の追加関税は、各国・地域の貿易負担に明暗を分ける可能性が高い。この関税は、従来の相互関税などとは異なり、一律の税率が適用されるため、高関税を課されていた国々は負担が軽減される一方、比較的低関税だった地域では負担が増加する見込みだ。
関税率の変化で明暗が分かれる各国の状況
スイスの貿易研究機関グローバル・トレード・アラートが公表した報告書によると、米国への輸出額で上位20か国・地域のうち、最も恩恵を受けるのはブラジルで、関税率は13.6ポイント減少する。次いで、中国が7.1ポイント、インドが5.6ポイント引き下がり、これらの国々は貿易負担が軽減される見通しだ。
一方、米国と10%の相互関税率で合意していた英国は、2.1ポイントと最も上昇し、負担が増加する。また、15%の関税率で合意した日本は0.4ポイント、韓国は0.6ポイント、欧州連合(EU)は0.8ポイント引き上がる。報告書は、追加関税が一定であるため、国ごとの差が縮小する傾向にあると指摘している。
新関税導入の背景と法的根拠
トランプ氏はこれまで、国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠に相互関税や中国への追加関税などを導入してきたが、連邦最高裁判所に違法と判断された。これを受けて、代わりに通商法122条に基づく新たな10%の追加関税を2月20日に発表し、翌21日には15%に引き上げる方針を表明した。この動きは、米国の貿易政策における大きな転換点を示している。
新たな追加関税は、一律の税率を適用することで、貿易の公平性を高める意図があると見られるが、各国の経済状況に応じて異なる影響を与える可能性がある。特に、英国のように従来低関税だった地域では、負担増が懸念される一方、中国やインドなどは相対的に有利な立場となる。
今後の展開としては、各国がこの新関税に対応するための外交交渉や国内政策の調整が進むことが予想される。国際経済の動向に注視が必要だ。



