米国の「相互関税」措置が発動から約1年で終了、新たな追加関税は10%に
トランプ米政権は2月24日午前0時(日本時間午後2時)、米連邦最高裁判所から違法判決を受けた「相互関税」などの措置を正式に終了させた。同0時1分からは、代替措置として別の法律に基づく新たな追加関税が発動されるが、当初の税率はトランプ大統領が自身のSNSで表明した15%ではなく、10%が適用される見通しとなっている。
相互関税の終了と新たな追加関税の導入
相互関税は、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく措置で、発動からわずか約1年で取り下げに追い込まれた。トランプ氏は2月20日、最高裁判決を受けて関税徴収を「速やかに終了する」との大統領令に署名し、米税関・国境取締局(CBP)は22日夜、24日午前0時で失効すると発表していた。
この終了により、約70か国に課されてきた相互関税のほか、合成麻薬フェンタニルの流入を理由にした中国、メキシコ、カナダへの「追加関税」も無効になる。さらに、前大統領への刑事訴追などを理由にしたブラジルへの高関税や、ロシアへの制裁を目的にインドなどに課すとしてきた関税措置も効力を失うこととなった。
新たな追加関税の詳細と今後の展開
2月24日から新たに導入される追加関税は世界各国・地域が対象で、米通商法122条を根拠法とする。この法律は、国際収支の「大規模かつ深刻」な赤字への対応を目的に、大統領の権限で最大15%の関税を150日まで課すことを認めている。
トランプ氏は20日の記者会見で、税率を10%と説明したが、翌21日、自身のSNSで税率を「即時」に15%へ引き上げると表明した。しかし、15%への引き上げに必要な文書への署名は確認できておらず、適用時期は依然として判然としていない状況だ。
この新たな関税措置は、目的や税率、期間が明確に定められており、IEEPAのような個別国への狙い撃ちに適用できない点が特徴である。そのため、当面は122条による150日間の関税で時間を稼ぎつつ、不公正な貿易慣行があると認定した国・地域に制裁関税を課す「通商法301条」などによる枠組みの再構築を急ぐ考えとみられる。
トランプ氏の強い姿勢と今後の見通し
トランプ氏は23日、SNSに「最高裁判決を利用してゲームをしようとする国は、さらに厳しい関税に直面する」と投稿し、強い姿勢を示した。この発言は、判決を利用して貿易上の優位性を得ようとする国々に対して警告を発するものと解釈されている。
今回の関税措置の変更は、米国の貿易政策が法的手続きに基づいて柔軟に調整されることを示しており、今後の国際貿易環境に大きな影響を与える可能性が高い。特に、中国やメキシコなど主要貿易相手国との関係において、新たな関税措置がどのように適用されていくかが注目される。
米政権は、経済的利害と法的枠組みのバランスを取りながら、自国の利益を最大化する戦略を模索している。今後の展開次第では、さらなる関税引き上げや新たな制裁措置が発動される可能性も否定できない。



