【ワシントン共同】米上院は4月30日、議員や事務所スタッフらに対し、オンライン上で政治や経済など幅広い出来事を賭けの対象とする「予測市場」への参加を禁止する決議案を、全会一致で可決した。この措置は、機密情報を知る立場を利用して不正に利益を得ることへの懸念が高まっていることを受けたものだ。
背景にある事件
今年1月のベネズエラのマドゥロ大統領拘束作戦を巡り、機密情報に接していた米兵が「米軍がベネズエラに展開するかどうか」など10件以上に賭けて不正に利益を得たとして4月に起訴され、大きな衝撃が広がっていた。この事件が今回の決議案可決の直接的な引き金となった。
予測市場とは
予測市場は、政治選挙の結果や経済指標、国際紛争の行方など、将来の出来事を賭けの対象とするオンラインプラットフォームである。参加者は実際の資金を投じて結果を予測し、的中すれば報酬を得られる仕組みだ。近年、その規模と影響力が拡大しており、特に機密情報を持つ公務員による不正利用が問題視されていた。
決議の内容と影響
決議案は上院議員およびそのスタッフを対象とし、予測市場への参加を明確に禁止する。違反した場合の罰則については今後検討される見通しだが、倫理規定の強化や情報管理体制の見直しも併せて進められる可能性がある。この決議は下院での審議を経て正式に法制化される予定であり、超党派の支持を得ている。
専門家は、今回の決議が予測市場全体の規制強化につながる可能性を指摘する。特に、国家安全保障に関わる機密情報の保護と、市場の透明性確保のバランスが今後の課題となっている。



