【ワシントン=吉田太郎】トランプ米大統領は24日、中国からの輸入品に対して最大145%の関税を課す大統領令に署名した。ホワイトハウスで行われた署名式で、トランプ大統領は「中国は長年にわたり不公正な貿易慣行を続けてきた。今回の措置はアメリカの労働者と企業を守るために必要だ」と述べた。
関税の詳細と対象品目
新たな関税は、中国からの輸入品約5000品目に適用され、平均税率は約45%となる。特に半導体や電気自動車関連製品には145%の高率関税が設定された。また、鉄鋼やアルミニウムなどの素材にも50%以上の関税が課される。発効は5月1日からで、既存の制裁関税と一部重複する。
中国の反応
中国商務省は即座に声明を発表し、「断固として反対する。必要な対抗措置を取る」と強く反発した。専門家は、中国がアメリカ産農産物や航空機部品などへの報復関税を検討しているとみられる。米中両国の貿易摩擦は、2018年以来の激しさを見せている。
世界経済への影響
今回の関税引き上げにより、世界のサプライチェーンに混乱が生じる可能性がある。国際通貨基金(IMF)は、米中貿易戦争が世界GDPを0.5%押し下げると試算している。また、日本の輸出企業にも影響が及ぶとみられ、特に自動車部品や電子部品の調達コスト上昇が懸念される。
今後の見通し
両国政府は、今月下旬に開催される主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の場で、意見交換を行う可能性がある。しかし、譲歩の余地は限られており、対立の長期化が予想される。市場関係者は、株式市場の変動や為替相場の不安定化に警戒を強めている。
なお、トランプ政権は、関税引き上げの理由として、中国による知的財産権侵害や強制的な技術移転を挙げている。米通商代表部(USTR)は、中国の構造改革が進まない限り、関税の引き下げは困難との見解を示した。



