【ワシントン=杉本康士】米陸軍で日本を含むインド太平洋地域を管轄する米インド太平洋陸軍(司令部・米ハワイ)のクラーク司令官は12日、電話による記者会見を実施した。同司令官は、米イスラエルとイランの交戦に伴い部隊を中東地域に派遣していることを明らかにし、対イラン軍事作戦で得た教訓をカウンターパートである陸上自衛隊と共有する意向を示した。
中東派遣部隊とAI・ドローン戦術の教訓
クラーク氏は、インド太平洋陸軍の防空部隊、航空旅団、後方支援旅団が中東を管轄する中央軍の指揮下で派遣されていると説明。人工知能(AI)やドローン(無人機)を活用した新たな戦闘方法について、「現地で戦闘に従事している部隊からリアルタイムで教訓を得ている。これを陸自と共有できることは大変幸せだ」と語った。これらの教訓は、現代戦における技術革新の重要性を浮き彫りにしている。
相互運用性の3つの側面
また、クラーク氏は陸自との関係において、共同作戦時のスムーズな連携を実現するための相互運用性が最も重要だと強調。相互運用性強化のために必要な3つの側面として、①通信・指揮統制システムなどの装備、②戦術・作戦の手順、③隊員同士の人間関係を挙げ、「米陸軍が変革を続けるのと同様に、陸自にも変革してほしい」と述べた。
艦艇増強の必要性
一方、地上部隊を輸送する艦艇の配備状況について質問を受けたクラーク氏は、「船は足りているという指揮官がいたとすれば、それは目標を低く設定しすぎだ」と指摘。敵の攻撃が続く中で後方支援を効果的に行うには、より多くの艦艇が必要だとし、日本やオーストラリアの後方支援部隊に配備する艦艇を増強する考えを示した。
この発言は、インド太平洋地域における安全保障環境の厳しさを反映しており、同盟国との連携強化が急務であることを示唆している。



