日本と韓国の経済関係は、1965年の国交正常化当時から大きく様変わりし、現在では双方向のシームレスな時代を迎えている。アジア経済研究所上席主任調査研究員の安倍誠氏は、この変化を人気アーティスト「ちゃんみな」に例え、日韓ビジネスの現状と課題を語った。
「太平洋トライアングル」から双方向へ
安倍氏は、かつての日韓経済を「太平洋トライアングル」と表現する。日本から原材料や機械を韓国に輸出し、韓国が製品を米国市場に販売するという一方向的な流れだった。この構造は対日赤字を拡大させ、韓国側で常に問題視されてきた。
しかし、1990年代以降、韓国の産業が高度化すると三角構造は崩れ始める。素材や部品の日本依存度が低下し、自動車や家電、半導体分野で韓国企業が日本企業と競合するようになった。
通貨危機を経て分業構造が変化
1997年の通貨危機(IMF危機)後、韓国産業は効率化を進め、貿易全体は黒字化。1998年の日韓共同宣言で投資協定が結ばれ、日本から韓国への投資が急増した。特に半導体や液晶分野で韓国がトップになると、日本の素材・製造装置企業の対韓投資が加速。2000年代には、日韓の分業構造は維持されつつも、韓国側の交渉力が相対的に高まった。
「ちゃんみな」的なシームレスな時代
安倍氏は、現在の日韓経済を「ちゃんみな」的と表現する。TWICEやLE SSERAFIMなど韓国アイドルグループで活躍する日本人メンバーが象徴するように、エンターテインメントだけでなくビジネスも「どちらの国で仕事をするか」を意識しないシームレスな状況が生まれている。質的な変化が起きているのだ。
今後の課題
しかし、関係発展には課題も残る。安倍氏は、歴史問題や政治的な緊張がビジネスに影響を与える可能性を指摘。相互理解を深め、持続可能な経済関係を構築するためには、政府間の対話だけでなく、民間レベルでの交流も重要だと強調する。
日韓経済は新たな段階に入った。双方向の流れをさらに促進し、共に成長するための枠組みづくりが求められている。



