国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは18日、2025年における世界の死刑執行に関する年次報告書を公表した。それによると、把握できた執行件数は前年比78%増の2707件に達し、1982年の調査開始以来最多を記録した。特にイランでは少なくとも2159件の死刑が執行され、前年の2倍以上に急増。同団体は、イスラム体制を批判する市民らを政治的に抑圧する手段として死刑が悪用されていると指摘している。
イランでの死刑執行急増の背景
報告書は、イラン当局が市民を「神の敵」など定義があいまいな罪で起訴し、裁判では拷問や家族への危害を脅迫して強要した「自白」を証拠として提出していると批判。被告が正当な審理を受けずに死刑判決を言い渡されている実態を明らかにした。また、犯行当時18歳未満の未成年者への死刑執行も確認された。
執行時期と政治的状況
イランでの死刑執行は、イスラエルとの戦闘が激化した2025年6月を境に著しく増加。1月から6月までは654件だったが、7月から12月には1505件へと倍増しており、国内の不安定な情勢を反映している。
その他の国々の状況
中国については情報が公開されていないため統計に含まれていないが、アムネスティは世界最多の数千件を執行したと推定。北朝鮮でも執行があったとされるが、正確な件数は不明としている。



