ブラジル唯一の邦字紙、週1回発行に移行 存続へネット強化
海外最大の日系人社会を抱えるブラジルで、唯一の邦字紙「ブラジル日報」の印刷版が週1回の発行となった。日本語で書かれた新聞を読む日系人の減少や高齢化が主な要因である。一方で、PDF版は週5回の発行を継続し、日本在住の読者もターゲットにしたインターネットでの情報発信を強化する。これにより印刷版の存続も図りたい考えだ。
ブラジルへの日本からの移民は1908年に始まり、現在約270万人の日系人が暮らしている。かつては多くの邦字紙が存在したが、日系人がブラジル社会に溶け込むにつれて読者が減少。2019年に「サンパウロ新聞」、2021年には「ニッケイ新聞」が廃刊となった。
ブラジル日報はニッケイ新聞の後継として2022年に創刊。日系社会の動向に加え、中南米や日本のニュース、文化や生活情報などを紹介している。しかし、読者の平均年齢は85歳と高齢化が進み、購読者は約1万5000人にとどまる。平日毎日発行していた印刷版は4月30日、ページ数を増やして週1回発行として再スタートを切った。
同紙の深沢正雪編集長は、「日本語に触れる機会が減っている日系人にとって、紙の新聞は貴重な存在。ネットを通じて若い世代や日本在住者にも情報を届け、ブラジル日報の価値を高めたい」と語る。今後はSNSやウェブサイトの充実を図り、日系コミュニティの結束を支える役割を果たす方針だ。
日系社会の変化と邦字紙の課題
ブラジルの日系社会は4世代を超え、日本語を解さない若い世代が増加。また、高齢の読者の減少も相まって、邦字紙の経営は厳しさを増している。しかし、ブラジル日報はデジタル戦略を強化し、日本語教育や文化継承の一翼を担うことで、新たな読者層の開拓を目指す。



