ベラルーシ南東部ゴメリ州のベトカ博物館に45年以上務めるガリーナ・グレゴリエブナさん(74)は、細かい模様が施された木製の窓枠や織物が邪視よけや先祖への感謝を込めたものだと説明する。同博物館は、原発事故で消滅した集落の記憶を伝える取り組みを続けている。
原発事故から40年、最大の被害国ベラルーシ
旧ソ連ウクライナのチョルノービリ(チェルノブイリ)原発事故から今年で40年。ベラルーシは国土の23%が汚染された最大の被害国とされ、450以上の集落が消滅した。ウクライナと国境を接する南東部ゴメリ州では、ロシア正教で異端とされた「古儀式派」の独特な文化が根付いていた集落が失われた。
ベトカ博物館の収集活動
1986年の事故後、避難した約13万7千人のうち75%が暮らしていたとされるゴメリ州。ウクライナ国境から約50キロのベトカ市にあるベトカ博物館は、放射性濃度が高いとして埋められて消滅した59の集落の元住人から、譲り受けた宗教画や家具、写真など約300点を収集。2005年から元住民に伝統や儀式について取材を始め、2008年に書物「失われた村の声」を出版した。
ベトカ市出身で45年以上博物館に務めるガリーナ・グレゴリエブナさん(74)は、細かい模様が施された木製の窓枠や織物には邪視よけや先祖への感謝が込められていると説明。収集品は単なる展示物ではなく、失われた集落の暮らしや信仰を後世に伝える貴重な資料となっている。



