東武鉄道は2026年5月27日、東武宇都宮線の東武宇都宮駅にウォークスルー型の顔認証改札機を1台導入する。この改札機は、利用者がICカードをかざすことなく、歩く速度のままで顔認証により通過できる画期的なシステムであり、大手私鉄として初の採用となる。
ウォークスルー型顔認証改札の仕組み
従来の改札機では、交通系ICカードを読み取り機にかざす必要があったが、新型改札機は読み取り部の奥に2台のカメラを搭載。利用者の顔を瞬時に読み取り、事前に登録された顔写真データと照合する。これにより、立ち止まることなくスムーズな通過が可能となる。
導入の背景と課題
東武鉄道は2025年11月、宇都宮線の12駅でタブレット型の顔認証システムを導入したが、カメラ前で一度停止する必要があり、スムーズさに課題があった。今回のウォークスルー型はその課題を解決するものの、早足の場合は顔読み取りが困難な場合もある。同社は「利便性の効果を分析し、改良を加えた上で設置駅を拡大したい」としている。
利用対象と今後の展望
利用できるのは、宇都宮線沿線内の定期券を持ち、顔写真と定期券情報を事前登録した18歳以上の利用者に限定される。東武鉄道は、このシステムをビジネスチャンスと捉え、将来的には駅ナカ施設の決済やホテルのチェックインなどへの応用も視野に入れている。
業界の動向
顔認証改札は、大阪メトロが大阪・関西万博で本格導入したほか、JR西日本が3月から大阪駅と新大阪駅で実証実験を開始するなど、鉄道業界で広がりを見せている。しかし、従来型はカメラ前での停止や大型ゲートが必要という課題があった。東武のウォークスルー型はこれらの課題を克服し、よりスムーズな改札通過を実現する。
東武鉄道の戦略
東武鉄道は顔認証システムの導入に積極的で、日々の通勤・通学の利便性向上だけでなく、データ活用による新たなビジネス創出を狙う。同社は「お客さまの利便性向上とともに、駅を起点としたサービスの拡充を図りたい」とコメントしている。



