真空管ラジオ再生工房の勝野薫代表、スマホ音楽をレトロな音色で楽しむ改造で新たな世代に継承
真空管ラジオ再生工房、スマホ音楽をレトロ音色で楽しむ改造

真空管ラジオ再生工房がスマホ音楽をレトロな音色で楽しむ改造を実施

長野県飯田市で真空管ラジオの修理・販売を手掛ける「真空管ラジオ再生工房」の勝野薫代表(77)は、昔ながらの真空管ラジオに近距離無線通信「Bluetooth」の受信機能を内蔵させ、スマホの音楽を飛ばして楽しめるように改造している。この取り組みにより、レトロな外観と現代的な機能を融合させ、若い世代を含む幅広い客層から支持を集めている。

真空管ラジオの魅力と修理・改造の背景

勝野代表が真空管ラジオに関心を持ったきっかけは、2003年頃に会社員として営業で訪れた高知県の古物店で、並べられた真空管ラジオを見て「懐かしいなあ」と感じたことだ。真空管は電気信号を増幅させる電子部品で、昭和40年代以降にトランジスターラジオが普及するまで広く使用されていた。

真空管ラジオの最大の特徴は、温かみのある柔らかな音色である。電源を入れてから真空管が温まるまで数十秒かかるため、音が出るまで待つ必要があり、まるで血がめぐるのを待つかのようなアナログ感が魅力だ。真空管自体は白熱電球程度の大きさがあり、ラジオのボディーも大きく、丸みを帯びたデザインがレトロな雰囲気を醸し出している。

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勝野代表は、高齢者には懐かしさを感じさせ、若者には「新しい音」として響き、外観も「おしゃれでかっこいい」と評価されていると語る。

修理・改造の詳細と若い世代への広がり

65歳で退職後、知人の勧めもあり、修理した真空管ラジオを阿智村のクラフト市で販売したところ、高齢男性を中心に予想以上の反響があった。これを受けて、他のクラフト市などでも販売を開始した。

購入者に満足してもらうため、製品のオリジナリティーを尊重しつつ、コンデンサー類などの重要部品や劣化した電線を新しいものに交換。安心して長期間使用できるようにし、外観も再塗装している。全国にリピーターがおり、お客さんとの交流を大切にしている。

ある時、お客さんから「Bluetoothは付けられませんか」とのリクエストがあり、試行錯誤を重ねて取り付けを実現。5、6年前に販売を始めたところ、客層が若い世代に大きく広がった。購入者には中学1年の女子生徒も含まれており、レトロな外観に現代的な機能が融合した点が「おしゃれ」と評価されている。

今後の展望と継承への思い

AM放送設備の老朽化などにより、民放のAM放送は順次FM化される予定だ。真空管ラジオは製造された時代背景から、AM放送しか受信できないものがほとんどだが、Bluetooth機能が付いていれば、スピーカーとして継続して使用できる。

勝野代表は「真空管ラジオは友だちのような存在」と語り、古くても次の若いオーナーが新たな「育ての親」となり、受け継いでもらいたいという思いで、今後も修理販売を続けると強調している。

真空管ラジオ再生工房の概要

2003年頃から真空管ラジオの修理を始め、2013年頃には再生品の販売が本格化した。価格は1台2万円前後で、これまでに800台以上を販売。自宅などに約60台の在庫があり、対面販売で購入前に実際の音色を聞いてもらっている。修理(基本料金1台7000円)は全国各地から受け付けている。

勝野薫氏の経歴

1948年生まれ、飯田市出身。都内の電子工学系専門学校を卒業後、同市の精密部品メーカー多摩川精機に就職。防衛航空機用の計器作りのほか、警察のパトカーなどに搭載するカメラと映像の伝送装置の開発・営業にも携わった。

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